
認知症の親の家は、
売れるのか
止まるのは、診断名ではありません。 契約したその時に、分かっていたかどうかです。
宅地建物取引業 東京都知事免許(1)第113689号
売れないのではなく、
順番が増えるだけです。
「親が施設に入ったので、空いている実家を売りたい」。 再建築不可の物件のご相談では、たいへん多い入り方です。 そして、途中で「親が認知症なので契約できないと言われた」という形で 止まります。
多くの記事は、ここで「認知症になったら売れません」と書きます。 正確ではありません。民法第3条の2が見ているのは病名ではなく「意思表示をした時に意思能力を有しなかったか」という、その時の状態だからです。 制度のほうも、後見・保佐・補助と三段階に分かれています。 進める道は用意されていて、増えるのは順番と期限のほうです。
このページでは、知っておきたいことを七つに整理します。条文は2026年9月17日にe-Gov法令検索で本文を取得して突き合わせ、 数字は最高裁判所事務総局家庭局が令和8年3月に公表した 「成年後見関係事件の概況」(令和7年(2025年)1月〜12月)のPDF本文から転記しました。 そして先に一つ申し上げておきます。当社は、家を売るために後見を申し立てましょう、というご提案はいたしません。家が売れたあとも、制度のほうは続くからです。
制度の話より先に、
どこで止まるのかの話をします。
いずれもe-Gov法令検索の条文本文と、法務省・裁判所・最高裁判所事務総局 家庭局の公開情報で確認した内容です。個別の方について判断能力の有無や 制度の要否を判定するものではありません。判断は、主治医・家庭裁判所・ 弁護士・司法書士へご確認ください。ここでは、どの条文にもとづいて、 何が、どういう順番で必要になるのかまでをお伝えします。
止まるのは診断名ではありません。契約したその時に、意思能力があったかどうかです
「認知症だと家は売れない」と書かれた記事をよく見かけますが、条文はそういう書き方をしていません。民法第3条の2は「法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする」と定めています。判断の対象は病名ではなく、契約したその時にご本人が分かっていたかどうかです。ですから、診断を受けていても契約できる場合がありますし、診断名が付いていなくても危ない場合があります。ここでよくご相談いただくのが「委任状をもらってあるから大丈夫か」という点ですが、委任も契約ですので、委任した時点で意思能力が無ければ、その委任自体が無効になります。土地や建物の名義を動かす場面では、決済の席で司法書士がご本人に会って意思を確かめるのが通例です。確かめられないまま話を進めると、あとから契約そのものがひっくり返る可能性が残り、買う側も登記を受けられません。「売れない」と言われるとき、中身はこれを指しています。
当社は買取業者ですので、名義人ご本人と契約できない状態では、当社もお引き受けできません。これは、業者を替えれば解決する話ではなく、どの会社でも同じです。ただ、ご相談そのものは早いほうがよいと考えています。制度を使う道があるのか、それとも別の順番があるのかは、現況を見ないと分かりません。査定と役所調査は、名義や能力の問題が片づく前でもお受けしています。先に「いくらで売れる家なのか」が分かっていれば、手続に費用と時間をかける価値があるかどうかを、ご家族で判断できます。
根拠:民法第3条の2、第176条
制度は三段階に分かれています。「後見」だけが答えではありません
法定後見は一つではなく、能力の程度に応じて三つに分かれています。民法第7条の後見は「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」、第11条の保佐は「著しく不十分である者」、第15条の補助は「不十分である者」が対象です。売却との関係でいうと、この違いは大きな差になります。後見が開始すると、成年後見人がご本人に代わって財産に関する法律行為を行います(第859条第1項)。一方、保佐ではご本人が売主のままで、保佐人の同意を得て契約します。第13条第1項第3号が「不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為」を同意が必要な行為として挙げているためです。保佐人に代わりに契約してもらうには、別に代理権を付与する審判が必要で、ご本人以外が請求する場合にはご本人の同意が要ります(第876条の4)。補助はさらに個別で、補助開始の審判は同意権か代理権を付与する審判と同時にしなければならず(第15条第3項)、ご本人以外の請求による補助開始にはご本人の同意が必要です(同条第2項)。
実際のご相談では、ご家族が「後見」の話だけを調べてこられることが多いのですが、医師の診断書を見ると保佐や補助の範囲であることがあります。後見と保佐・補助では、ご本人が契約の席に座るかどうかが変わり、進め方も変わります。当社にできるのは、どの制度に当たるかを判定することではなく、どの制度になった場合でも成立する形で買取のご提案をすることです。ご家族が家庭裁判所や専門家とお話しになるときに必要な、物件の資料(登記・道路・接道・境界と、現況のままの査定額)は、こちらで揃えてお渡しします。
根拠:民法第7条、第11条、第13条第1項第3号、第15条、第859条第1項、第876条の4
後見人が付いても、住んでいた家だけは家庭裁判所の許可が要ります
ここが、ほかの財産と扱いが違うところです。民法第859条の3は「成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない」と定めています。預貯金と違い、住まいには本人の生活そのものが乗っているため、後見人の判断だけでは動かせない建て付けになっています。この規定は保佐にも補助にも準用されており(第876条の5第2項、第876条の10第1項)、家事事件手続法の別表第一では、十一の項(成年被後見人)・三十の項(被保佐人)・四十九の項(被補助人)と、それぞれ別の項目として立っています。なお、条文は「その居住の用に供する建物又はその敷地」と書くのみで、施設に入っておられる場合にどこまで含まれるのかを定義していません。許可を得ずにした処分がどうなるかについても、条文には定めが置かれていません。この二点は個別の判断になりますので、家庭裁判所または弁護士・司法書士へご確認ください。
買取の実務でいうと、この段階の契約は「家庭裁判所の許可が出たら効力が生じる」形で結ぶことになります。当社が申し上げられるのは一つだけです。査定額の根拠——前面の道路が建築基準法上どの扱いか、接道が足りているか、建て替えができるのか、そのうえでいくらなのか——を、書面でお出しできます。家庭裁判所に対して「なぜその値段なのか」を説明する必要が出てきたときに、そのままお使いいただける形にしています。相見積もりを取られる場合も、同じ資料を他社にお渡しいただいて構いません。
根拠:民法第859条の3、第876条の5第2項、第876条の10第1項/家事事件手続法別表第一の十一の項・三十の項・四十九の項
申立ては本人の住所地の家庭裁判所へ。印紙は800円と2,600円です
手続の入口は、意外と軽いところから始まります。家事事件手続法第117条第1項により、後見開始の審判事件は「成年被後見人となるべき者の住所地を管轄する家庭裁判所」の管轄です。ご本人がお住まいの場所で決まりますので、ご家族の住所ではありません。費用は、裁判所の案内によれば申立手数料が収入印紙800円、登記手数料が収入印紙2,600円、これに連絡用の郵便料が加わります(郵便料は裁判所ごとに異なります)。必要書類としては、申立書のほか、本人の戸籍謄本・住民票、発行から3か月以内の診断書、本人情報シートの写し、健康状態に関する資料、そして「登記されていないことの証明書」が挙げられています。最後のものは、東京法務局後見登録課または全国の法務局・地方法務局の本局で発行されるものです。財産の資料としては不動産登記事項証明書が挙げられており、裁判所の案内には「未登記の場合は固定資産評価証明書」と併記されています。鑑定については、家事事件手続法第119条第1項が「鑑定をしなければ、後見開始の審判をすることができない」としつつ、ただし書で「明らかにその必要がないと認めるとき」を除いています。
費用の話で誤解が生まれやすいので、分けて書きます。裁判所に納める印紙は合計3,400円です。ここに、戸籍や診断書を取るための実費、鑑定が行われた場合の鑑定料、そして専門家に申立てを依頼する場合はその費用が加わります。当社は後見の申立てを代理する立場にはありませんし、その費用の目安をお示しすることもいたしません。当社がお出しできるのは、その手続をかける価値があるかどうかを判断するための材料——現況のままの買取価格と、調べた資料だけです。
根拠:家事事件手続法第117条第1項、第119条第1項/裁判所「後見開始」(2026年9月17日確認)
いちばん誤解が多いところです。申し立てたら、途中でやめられません
「まず申し立ててみて、思ったとおりにならなければ取り下げればよい」というお考えをうかがうことがありますが、そうはなっていません。家事事件手続法第121条第1号は、後見開始の申立てについて、審判がされる前であっても、家庭裁判所の許可を得なければ取り下げることができない、と定めています。開始したあとも同じです。法務省は公表しているQ&Aで「成年後見制度は判断能力が不十分な本人の権利を保護するための制度ですので、本人の判断能力が回復したと認められる場合でない限り、制度の利用を途中でやめることはできません」と説明しています(2026年9月17日確認)。そして、後見人をどなたにするかは家庭裁判所が職権で決めます(民法第843条第1項)。ご家族の希望どおりになるとは限りません。最高裁判所が公表している令和7年(2025年)1月〜12月の統計では、成年後見人等に選ばれたのは親族が16.4%、親族以外が83.6%でした。親族以外の内訳は、司法書士33.5%、弁護士24.9%、社会福祉士20.4%などです。そもそも申立書に親族を候補者として記載していた事件自体が19.7%にとどまります。さらに、後見人には家庭裁判所の判断で報酬が与えられることがあり、その原資はご本人の財産です(民法第862条)。
ですので当社は、「家を売るために後見を申し立てましょう」というご提案はいたしません。家が売れたあとも制度は続き、ご本人が亡くなるまで続くのが原則だからです。ご家族にとっては、売却の話よりもこちらのほうが長い付き合いになります。当社からお願いしたいのは順番だけです。先に物件の価値をはっきりさせてから、手続に入るかどうかを決めていただくこと。査定は無料ですので、制度を使うと決める前の段階でお声がけください。
根拠:家事事件手続法第121条第1号/民法第843条第1項、第862条/法務省「成年後見制度・成年後見登記制度 Q&A」Q25/最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況—令和7年(2025年)1月〜12月—」
手続は4か月以内に9割以上が終わります。ただし税の期限は先に走っています
期間は、思われているより短く済むことが多いようです。最高裁判所の令和7年(2025年)1月〜12月の統計によれば、成年後見関係事件の終局事件42,674件のうち、1か月以内に終わったものが37.9%、2か月以内が71.1%、4か月以内が93.8%でした。法務省のQ&Aも「多くの場合、申立てから法定後見の開始までの期間は、4か月以内」と説明しています。鑑定が行われたのは全体の3.4%にとどまり、鑑定費用は85.8%の事件で10万円以下でした。問題は、この手続と並行して、税の期限のほうが先に走っていることです。ご本人がご存命のうちに売る場合、居住用財産を譲渡したときの3,000万円特別控除は、租税特別措置法第35条第1項・第2項第2号により、その家に住まなくなった日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに売った場合が対象とされています。施設に入られた日から数えて、丸3年ではなく「3年目の年末まで」です。この期限を過ぎてご本人が亡くなられた場合、次に出てくるのは同条第3項の空き家の特例ですが、こちらは相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、譲渡対価1億円以下、かつ耐震基準に適合させるか建物を取り壊すことが要件に加わります。相続人が3人以上の場合は第4項により控除額が2,000万円に下がり、制度自体も令和9年12月31日までの譲渡が対象です。
つまり、「いつ動くか」が、そのまま手取りに効いてきます。当社は税額の計算をいたしませんし、どちらが有利かを断定することもいたしません。ただ、査定の段階で「この家がいつから空いているか」をうかがうのは、このためです。期限に間に合うかどうかで、急ぐべきか、じっくり進めてよいかが変わります。具体的な適用の可否は、必ず税理士または所轄の税務署へご確認ください。なお、要介護認定などを受けて老人ホーム等に入所されていた場合については、空き家の特例に「特定事由」という別の扱いが用意されています(同条第5項、同法施行令第23条第8項)。ここも税理士のご判断です。
根拠:租税特別措置法第35条第1項・第2項第2号・第3項・第4項・第5項/同法施行令第23条第8項/最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況—令和7年(2025年)1月〜12月—」/法務省「成年後見制度・成年後見登記制度 Q&A」Q23
元気なうちなら、もう一つ道があります。ただし、ほとんど使われていません
ご本人がまだご自分で決められるうちに、将来に備えて結んでおく契約があります。任意後見契約です。任意後見契約に関する法律第3条は「任意後見契約は、法務省令で定める様式の公正証書によってしなければならない」と定めており、公証役場で結びます。効力が生じるのは契約の時点ではなく、判断能力が不十分な状況になって家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時からです(第4条第1項)。費用について、法務省は公正証書作成の基本手数料13,000円、登記嘱託手数料1,600円、登記所に納付する印紙代2,600円と案内しています。法定後見との関係では、任意後見契約が登記されている場合、家庭裁判所は「本人の利益のため特に必要があると認めるときに限り」後見開始の審判等をすることができるとされており(第10条第1項)、あらかじめ決めておいた取り決めが優先される建て付けです。そして、条文を追うかぎり、任意後見人については民法第859条の3を準用する規定が置かれていません。第7条第4項が任意後見監督人について準用する民法の条文を列挙していますが、そこに第859条の3は含まれていません。もっとも、任意後見人の事務を監督することは任意後見監督人の職務とされています(第7条第1項第1号)。
実情のほうも、そのままお伝えします。最高裁の令和7年(2025年)1月〜12月の統計では、任意後見監督人選任の申立ては881件で、成年後見関係事件の申立て43,159件の約2%にとどまります。令和7年12月末時点の任意後見の利用者は2,833人で、制度全体の利用者259,901人の約1.1%です。用意されてはいるものの、ほとんど使われていない制度だということです。これは当社の商売の外側の話ですので、ご契約をお勧めする立場にはありません。ただ、ご両親がお元気なうちに「そろそろ実家をどうするか」というご相談に来られた方には、この選択肢があることを必ずお伝えしています。その時点で売るという結論にならなくても、当社としてはそれで構いません。
根拠:任意後見契約に関する法律第3条、第4条第1項、第7条第1項第1号・第4項、第10条第1項/法務省「成年後見制度・成年後見登記制度 Q&A」Q22/最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況—令和7年(2025年)1月〜12月—」
裁判所に納めるお金は、
合計3,400円です。
「後見はお金がかかる」と言われますが、内訳を分けると見え方が変わります。 裁判所に納める印紙は800円と2,600円です。増えるのは、書類を取る実費、 鑑定が行われた場合の鑑定料、そして専門家に依頼する場合の費用のほうです。 以下は、裁判所・法務省の案内と最高裁の統計に載っている数字だけを2026年9月17日に確認して並べたものです。当社が推計した数字は 含めていません。
後見開始の審判の申立て
申立手数料 収入印紙800円+登記手数料 収入印紙2,600円
裁判所「後見開始」/家事事件手続法第117条第1項
申立先はご本人の住所地の家庭裁判所です。ほかに連絡用の郵便料(裁判所ごとに異なります)、戸籍謄本・住民票・診断書などの取得実費がかかります。
補足:保佐開始では代理権の付与や同意を要する行為の追加を申し立てるごとに、補助開始では同意権・代理権の付与の申立てそれぞれについて、別途800円の収入印紙が必要とされています。
鑑定(行われた場合のみ)
10万円以下が85.8%(令和7年(2025年)1月〜12月)
家事事件手続法第119条第1項/最高裁「成年後見関係事件の概況」
条文は「鑑定をしなければ後見開始の審判をすることができない」としたうえで、明らかにその必要がないと認めるときを除いています。実際に鑑定が行われたのは終局事件の3.4%でした。
補足:鑑定期間は1か月以内が52.6%、2か月以内までで89.4%です。法務省のQ&Aも「ほとんどの場合、10万円以下」と案内しています。
審理にかかる期間
2か月以内に71.1%、4か月以内に93.8%(令和7年(2025年)1月〜12月)
最高裁「成年後見関係事件の概況」/法務省Q&A Q23
終局事件42,674件のうち、1か月以内が37.9%、1か月超2か月以内が33.2%でした。認容で終局したものは95.1%です。
補足:法務省のQ&Aも「多くの場合、申立てから法定後見の開始までの期間は、4か月以内」と説明しています。
居住用不動産の処分についての許可
売却の前に、別途の申立てが必要
民法第859条の3/家事事件手続法別表第一の十一の項
後見が開始したあと、住まいだった建物・敷地を売る・貸す・抵当権を設定するときに必要になります。保佐・補助にも準用されています(民法第876条の5第2項、第876条の10第1項)。
補足:条文は「その居住の用に供する建物又はその敷地」と書くのみで、施設入所中の家をどこまで含むかの定義はありません。許可を得ずにした処分の効力についても条文に定めはなく、個別の判断になります。
任意後見契約の公正証書
基本手数料13,000円+登記嘱託手数料1,600円+印紙2,600円
任意後見契約に関する法律第3条/法務省Q&A Q22
ご本人がまだご自分で決められるうちに、公証役場で結びます。効力が生じるのは、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時からです(同法第4条第1項)。
補足:ほかに正本等の証書代、登記嘱託書の郵送用切手代がかかると案内されています。
登記されていないことの証明書
申立ての添付書類(発行から3か月以内のもの)
後見登記等に関する法律第10条/裁判所「後見開始」
東京法務局後見登録課、または全国の法務局・地方法務局の本局で発行されます。ご本人が制度を利用していない場合は、その旨の証明を請求します。
補足:ご自身の配偶者または四親等内の親族を本人とする登記記録についても、登記事項証明書の交付を請求できます(同法第10条第1項第3号)。親に後見人が付いているかどうかを確かめたいときの入口がこれです。
後見人・保佐人・補助人に対する報酬は、家庭裁判所が、後見人と本人の 資力その他の事情によって、本人の財産の中から相当な額を与えることが できるとされています(民法第862条)。金額は事案ごとの判断ですので、 当社は目安をお示しいたしません。弁護士・司法書士へ申立てを依頼する 場合の費用も同様です。なお、資力が乏しい方については法テラスの 民事法律扶助による立替えを受けられる場合があり、また経費を助成して いる市区町村もあると法務省が案内しています。
手続に入る前に、
その家の値段を先に出します。
再建築不可の物件は、費用と時間をかけたあとで「思ったほどの金額に ならなかった」ということが起こり得ます。だから順番を逆にしています。 査定と役所調査は、名義や能力の問題が片づく前でもお受けしています。 結果として当社にお売りにならなくても構いません。
親が施設に入り、実家が空いている。話はまだできる
いちばん選択肢が多い段階です。ご本人が売主として契約できる可能性がありますし、任意後見を含めた備えも間に合います。税の側でも、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までという期限が生きています(租税特別措置法第35条第2項第2号)。当社としては、まず物件の価値をはっきりさせることをお勧めしています。査定と役所調査を行い、前面の道路の扱い・接道・建て替えの可否・現況のままの買取価格を書面でお渡しします。そのうえで、売るのか、貸すのか、持ち続けるのかをご家族で決めていただければ十分です。
医師から認知症と言われたが、どの程度なのか分からない
制度のどれに当たるかは、診断名ではなく能力の程度で決まります(民法第7条・第11条・第15条)。家庭裁判所に提出する診断書には決まった様式があり、裁判所が「成年後見制度における診断書作成の手引・本人情報シート作成の手引」を公開しています。まずは主治医にご相談ください。当社にできるのは判定ではありません。ただ、この間に物件の調査を進めておくことはできます。結果として制度を使わずに済んだ場合でも、調べた資料は無駄になりません。
すでに後見人(司法書士・弁護士)が付いている
最高裁の令和7年(2025年)1月〜12月の統計では、成年後見人等の83.6%が親族以外で、内訳は司法書士33.5%、弁護士24.9%、社会福祉士20.4%です。後見人の方が窓口になっている状態でも、当社は同じようにご相談をお受けします。この場合、売却には家庭裁判所の許可が必要になりますので(民法第859条の3)、契約は許可を条件とする形になります。後見人の方が裁判所へ説明される際に必要となる、査定額の根拠を示した資料をお出しできます。
きょうだいの一人が「自分が後見人になる」と言っている
後見人を選ぶのは家庭裁判所です(民法第843条第1項)。ご本人の心身の状態、生活と財産の状況、候補者の職業・経歴、ご本人との利害関係の有無、ご本人の意見その他一切の事情を考慮しなければならないとされています(同条第4項)。令和7年(2025年)1月〜12月の統計では、親族が選ばれたのは16.4%でした。ご希望が通らないこともあるという前提でお話を進められることをお勧めします。なお、名義がすでにきょうだいの共有になっている場合は、また別の論点になります。共有の記事にまとめました。
手続の途中で、親が亡くなってしまった
後見は終了し、話は相続へ移ります。ここから先は相続人全員の問題になりますので、遺産分割・相続登記・税の期限がそれぞれ動き出します。相続登記は3年(不動産登記法第76条の2第1項)、23区の固定資産税の現所有者申告は3か月(地方税法第384条の3)、空き家の3,000万円特別控除は相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで(租税特別措置法第35条第3項)です。順番は相続の記事に、税は売ったときの税金の記事にまとめています。
そもそも、この家に手続をかける価値があるのか知りたい
これがいちばん多いご相談です。再建築不可の物件は、手続の費用と時間をかけたあとで「思ったほどの金額にならなかった」ということが起こり得ます。ですので当社は、制度を使うかどうかを決める前の段階での査定をお受けしています。前面の道路が建築基準法上の道路に当たるか、接道が足りているか、建て替えの余地があるか——この三つが分かれば、かける価値があるかどうかの見当が付きます。査定は無料で、その結果を持って他社へご相談いただいても構いません。
再建築不可という制度そのものの説明、査定で見ている五つの点、買取までの流れは再建築不可物件の買取ページに、前の道が建築基準法上の道路に当たるかどうかは未接道の土地・建物の買取ページに、竿の部分の幅と長さの見方は旗竿地(路地状敷地)の買取ページにまとめています。
相続が起きたあとの手続の順番は相続の記事に、名義がきょうだいの共有になっている場合は共有の記事に、建物そのものが登記されていないときは未登記の記事に、売ったときの税は売ったときの税金の記事にまとめています。
役所の書類で前の道を確かめる手順は調べ方の記事に、敷地の輪郭を確定させる話は境界と越境の記事に、買い手が付きにくい理由は売れない理由の記事に、持っているあいだの税は固定資産税の記事にまとめています。
直せる範囲の線引きはリフォームの記事に、手続を待つあいだ貸すという案は貸したほうがいいのかの記事に、決めずに置いておいた場合に進むことは空き家の放置の記事に、取り壊して国に引き取ってもらう道は国庫帰属の記事に、土地が借地で地主の承諾が要るときは借地の記事に、登記簿に古い抵当権が残っているときは古い抵当権の記事に、売ったあとに建物の傷みの責任を問われるのか、免責の特約はどこまで効くのかは売ったあとの責任の記事に、私道の通行・掘削の承諾が取れないまま売るときの条文は私道の通行・掘削の記事に、親の家に親族が住んだまま売るときの決まり(使用貸借・賃貸借)は住んだまま売る記事に、後見人が家を壊すと決める前に確かめること(壊すと建てられない条文・解体の手続・税の特例の型)は解体して更地にするかの記事に、相続人の一人と連絡が取れないときの居場所の辿り方と家庭裁判所・地方裁判所の手続は相続人と連絡が取れないときの記事に、がけや古い擁壁に接する家の建て替えの条件(東京都のがけ条例)と区の助成はがけ・擁壁の記事にまとめています。
判断能力と成年後見についての Q&A
買取のご相談の中で、実際によくいただくご質問をまとめました。 いずれも制度の一般的な説明です。個別の方について判断能力の有無や 制度の要否は、主治医・家庭裁判所・弁護士・司法書士へご確認ください。
このページについて
- 作成・運営
- 株式会社First Realty
- 代表者
- 代表取締役 野口 勇
- 宅地建物取引士
- 野口 勇(登録番号 第261304583号)
- 免許
- 宅地建物取引業 東京都知事免許(1)第113689号
- 所在地
- 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-1-3 アミーホール5F
- 電話
- 03-6821-4617(10:00 – 19:00/定休 火曜・水曜)
- 加盟団体
- 公益社団法人 東京都宅地建物取引業協会/公益社団法人 全国宅地建物取引業保証協会
- 引用した統計
- 最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況—令和7年(2025年)1月〜12月—」(令和8年3月公表)
- 条文・統計・窓口の確認日
- 2026年9月17日
- 最終更新
このページが参照した公開情報
本文の条番号・費用・必要書類・窓口は、以下の公開情報を2026年9月17日に確認して記載しています。申立件数・審理期間・ 成年後見人等の内訳・利用者数などの数字は、最高裁判所事務総局家庭局が 令和8年3月に公表した「成年後見関係事件の概況—令和7年(2025年)1月〜12月—」の PDF本文から転記したもので、同資料には概数であり今後の集計整理により 異同訂正が生じることがある旨の注記があります。制度・様式・窓口・統計は 更新されますので、お確かめのうえご利用ください。 このページは制度の一般的な説明であり、個別の方について判断能力の有無や 制度の要否を判定するものではありません。制度の適用は家庭裁判所、 手続は弁護士・司法書士、診断は主治医、税の取扱いは税理士または 所轄の税務署の判断によります。また、後見人等の報酬や申立てを専門家へ 依頼する場合の費用の目安は、当社が実測していないため記載していません。
- 民法(明治二十九年法律第八十九号)|e-Gov法令検索
- 任意後見契約に関する法律(平成十一年法律第百五十号)|e-Gov法令検索
- 家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)|e-Gov法令検索
- 後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)|e-Gov法令検索
- 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)|e-Gov法令検索
- 租税特別措置法施行令(昭和三十二年政令第四十三号)|e-Gov法令検索
- 成年後見制度・成年後見登記制度|法務省
- 成年後見制度・成年後見登記制度 Q&A(Q21〜Q25「制度の利用について」)|法務省
- 後見開始(申立先・費用・必要書類)|裁判所
- 後見ポータルサイト|裁判所
- 成年後見制度における診断書作成の手引・本人情報シート作成の手引|裁判所
- 成年後見関係事件の概況(公表資料の一覧)|裁判所
- 成年後見関係事件の概況—令和7年1月〜12月—(PDF)|最高裁判所事務総局家庭局
当社は不動産の買取業者であり、後見開始等の申立てを代理する立場には ありません。制度の利用と手続は家庭裁判所・弁護士・司法書士へ、 診断書は主治医へ、任意後見契約は公証役場へ、建て替えの可否は建築士と お住まいの区の建築課へ、税の取扱いは税理士または所轄の税務署へ ご確認ください。当社にできるのは、現況のままの買取価格をお出しする ことと、査定の過程で調べた登記・道路・接道・境界の資料をお渡しする ことです。その資料は、家庭裁判所や専門家とお話しになるときに、 そのままお使いいただけます。
手続に入る前の段階で、ご相談ください
登記・道路・接道の確認をこちらで行い、資料をお渡しします。担当者より1営業日以内にご連絡いたします。査定・ご相談は完全無料です。
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後見の申立てをする前でも、後見人の方が付いている状態でもご相談いただけます。 かける価値のある手続かどうかを、先に金額でお示しします。 査定は完全無料、秘密厳守です。
宅地建物取引業 東京都知事免許(1)第113689号
