
再建築不可の家の相続税は、
どうなるのか
売値は低くなりやすいのに、相続税の評価は路線価から始まります。 申告と納税の10か月、評価の定め、小規模宅地等の特例と売る時期、延納と物納を、条文と国税庁の資料で整理しました。
宅地建物取引業 東京都知事免許(1)第113689号
相続税の期限は10か月。
売る時期によって、使える特例が変わることがあります。
親が住んでいた路地の奥の家を相続した。建て替えができないので売値は期待できないと聞いたが、 相続税の計算では土地が思ったより大きく数えられている。10か月の期限までに払えるのか、家を売って払うのか、 売るならいつがいいのか——。 足立区・葛飾区・北区・板橋区・荒川区・墨田区の木造密集地域でも、こうしたご相談は少なくありません。
令和6年に亡くなった方のうち、相続税額のある申告があったのは全国で10.4%、東京国税局の管内では16.2%、およそ6人に1人でした。 そして、再建築不可の家には、相続税の決まりの中で特有の論点があります。接道の条件を満たさない土地の評価の定め、同居の子が申告期限の前に売ると使えなくなることがある特例、 道路に2m以上接していない土地を「後回し」にする物納の決まりです。
このページでは、再建築不可の家を相続したときの相続税について、確かめることを六つに整理します。条文は2026年10月1日にe-Gov法令検索で本文を取得して突き合わせ、運用と統計は国税庁の公開資料を同日に確認しました。 先に申し上げておきます。当社は不動産の買取業者で、相続税がかかるかどうかの判定、税額の計算、どの特例を使うかの助言はしません。税額の試算や、評価額と売値の差の見込みも書きません。当社がするのは、今の状態の買取価格を書面でお出しし、税理士とのお話の材料にしていただくことです。
「いくらかかるか」の前に、
どの決まりが、何を要求しているかの話をします。
いずれもe-Gov法令検索の条文本文と、国税庁の公開資料・統計で確認した内容です。 個々の相続で相続税がかかるか、評価額がいくらか、特例が使えるか、延納・物納が許可されるかを判定するものではありません。 判定と申告は税理士・税務署へご確認ください。 ここでは、どの決まりが、どの場面で、誰に何を求めているのかまでをお伝えします。
相続税がかかるのは、遺産が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えるときです。申告も納税も、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です
相続税の総額を計算するときは、課税価格の合計額から、3,000万円と600万円に相続人の数を掛けた額との合計(遺産に係る基礎控除額)を差し引きます(相続税法第15条第1項)。相続人の数は、相続の放棄があってもなかったものとして数えます(同条第2項)。これを超えて相続税額がある人は、その相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に、申告書を納税地の所轄税務署長に出し(第27条第1項)、同じ期限までに納めます(第33条)。国税庁の「令和6年分 相続税の申告事績の概要」によると、令和6年に亡くなった方1,605,378人のうち、相続税額のある申告書が出されたのは166,730人で、課税の割合は全国で10.4%でした。東京国税局の管内(東京都・神奈川県・千葉県・山梨県)に限ると、328,773人のうち53,379人で16.2%。およそ6人に1人です。東京国税局の資料では、相続税額のある申告の相続財産のうち、土地が33.7%、家屋が4.5%を占めていました。再建築不可の家は売値が低くなりやすい一方で、相続税の評価は路線価から出発するので、「売っても大した額にならない家なのに、遺産の計算では大きく数えられる」ということが起こり得ます。
当社は、相続税がかかるかどうかの判定も、税額の計算もしません。ご相談の家について、今の状態で売るならいくらかという買取価格を書面でお出しします。遺産の総額を税理士と確かめるときの材料としてお使いください。
根拠:相続税法第15条、第27条第1項、第33条/国税庁「No.4102 相続税がかかる場合」「No.4152 相続税の計算」「No.4205 相続税の申告と納税」/国税庁「令和6年分 相続税の申告事績の概要」・東京国税局「令和6年分 相続税の申告事績の概要」
相続税の評価は「時価」が原則で、実務は国税庁の財産評価基本通達で計算します。接道の条件を満たさない土地は「無道路地」、2項道路に面した土地はセットバック部分を差し引く定めがあります
相続税法第22条は、相続で取得した財産の価額は取得の時の時価による、と定めています。その時価を計算する方法として、国税庁は財産評価基本通達を定めています。再建築不可の家に関わる定めは主に三つです。一つ目は通達20-3の無道路地で、道路に接しない宅地だけでなく「接道義務を満たしていない宅地」も無道路地に含めると明記し、接道義務に基づく最小限度の通路を開設する場合の通路部分の価額を、その価額の100分の40の範囲内で控除します。二つ目は通達24-6で、建築基準法第42条第2項の道路(いわゆる2項道路)に面し、建て替えのときに道路敷きとして提供しなければならない部分がある宅地は、提供しないものとした価額から、「提供部分の地積÷宅地の総地積×0.7」の割合を掛けた額を控除します。三つ目は通達24で、私道の用に供されている宅地は、通常の計算の100分の30で評価し、不特定多数の者の通行の用に供されているときは評価しません。路地の奥の家と一緒に私道の持分を相続する場合は、ここが関わります。不整形地・間口狭小・奥行長大の補正率は、旗竿地の買取ページで付表の数字まで整理しています。
当社は、評価の計算をしません。査定のときに当社の負担で取る登記事項証明書・公図・道路の種別の調査結果(2項道路か、43条の道に接しているか、私道の持分があるか)は、査定書に書き写してお渡しします。税理士が評価をするときに、そのまま見ていただけます。
根拠:相続税法第22条/財産評価基本通達20-3(無道路地の評価)、24(私道の用に供されている宅地の評価)、24-6(セットバックを必要とする宅地の評価)/建築基準法第42条第2項、第43条第1項
亡くなった方の住まいの土地は、330㎡まで評価を8割減らせる特例があります。ただし、配偶者以外の人が使うには「申告期限まで持ち続ける」ことが要件です
租税特別措置法第69条の4は、相続開始の直前に被相続人などの居住の用に供されていた宅地等のうち「特定居住用宅地等」について、330㎡までの部分の課税価格を100分の20にする(8割減らす)と定めています(第1項第1号・第2項第2号)。取得する人ごとに要件が違います。被相続人の配偶者が取得する場合は、取得者ごとの要件はありません(第3項第2号本文)。被相続人と同じ建物に住んでいた親族が取得する場合は、相続開始の時から申告期限まで引き続きその宅地等を持ち、かつその建物に住んでいることが要件です(同号イ)。配偶者も同居の相続人もいないときに、持ち家に住んでいない親族(いわゆる「家なき子」)が取得する場合も、相続開始前3年以内に自分や配偶者・三親等内の親族などの持ち家に住んだことがないことなどに加え、相続開始の時から申告期限まで引き続きその宅地等を持っていることが要件です(同号ロ)。老人ホームなどに入所していた方の家も、要介護認定などの一定の事由による場合は、入所前の居住の用として扱われます(第1項本文の括弧書き、国税庁No.4124)。つまり、同居の子や家なき子が相続した再建築不可の家を、申告期限(10か月)の前に売ってしまうと、この特例が使えなくなることがあります。配偶者が相続した場合は、この保有の要件がありません。
当社は、特例を使うかどうか、どの宅地に使うかの判断をしません。相続人の方から「申告期限が過ぎてから引き渡したい」とご希望があれば、査定書を先にお出しし、契約・決済の日を申告期限の後に置く段取りでご相談をお受けします。売る時期が特例に関わるかどうかは、先に税理士にご確認ください。
根拠:租税特別措置法第69条の4第1項、第2項第2号、第3項第2号イ・ロ/国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」
特例で税額が0円になっても、申告しなければ特例は使えません。申告期限までに遺産分割がまとまっていない土地にも、原則として使えません
租税特別措置法第69条の4第7項は、この特例は、相続税の申告書に適用を受けようとする旨を記載し、計算の明細書などの書類を添付した場合に限り適用する、と定めています。基礎控除を超える遺産があり、特例を使えば税額が0円になるという場合も、申告は必要です。国税庁の申告事績でも、相続税額のない申告書を出した被相続人は、令和6年分で全国39,755人、東京国税局管内で16,358人(全国の41.1%)いました。もう一つの注意は遺産分割です。第69条の4第4項は、申告期限までに共同相続人の間で分割されていない宅地等には特例を適用しない、としています。ただし、申告期限から3年以内に分割された場合は、その分割された宅地等には適用できます(同項ただし書。訴えの提起などやむを得ない事情があり税務署長の承認を受けた場合は、さらに延ばせます)。国税庁は、申告期限までに分割されていないときの申告の仕方を「No.4208 相続財産が分割されていないときの申告」で案内しています。再建築不可の家は、誰が相続するかで話がまとまりにくい家でもあります。分割が長引くと、特例の扱いにも関わってきます。
当社は、相続人の皆さまが同じ紙を見て話ができるよう、今の状態の買取価格を一枚の査定書にしてお出しします。「売って分ける」か「誰かが相続する」かを決める材料としてお使いください。分割の進め方は弁護士へ、申告の仕方は税理士へ。
根拠:租税特別措置法第69条の4第4項、第7項/相続税法第19条の2第2項(配偶者の税額軽減の未分割の扱い)/国税庁「No.4124」「No.4208 相続財産が分割されていないときの申告」/国税庁・東京国税局「令和6年分 相続税の申告事績の概要」
一度に払えないときは、延納(分割払い)の制度があります。遺産の半分以上が不動産なら、不動産に対応する税額は最長15年です
相続税法第38条第1項は、納付すべき相続税額が10万円を超え、納期限までに金銭で納めることが難しい事由があるときは、申請により、納付を困難とする金額を限度として、5年以内の年賦延納を許可できると定めています。相続した財産のうち不動産等の価額が10分の5以上なら、不動産等に対応する税額は15年以内、その他の税額は10年以内です。延納には延納税額に相当する担保が要りますが、延納税額が100万円以下で延納期間が3年以下なら担保は要りません(同条第4項)。国税庁の「No.4211 相続税の延納」によると、延納申請書と担保提供関係書類は納期限(期限内申告なら申告期限)までに出し、延納期間中は利子税がかかります。担保には、相続した財産に限らず相続人自身の財産も出せます。延納は「すぐに売らなくても納められる道」ですが、利子税がかかり続け、担保にする不動産がある程度換金できるものかも見られます。国税庁の「相続税の延納処理状況等」によると、令和7年度の延納の申請は1,342件でした。
当社は、延納にするか、売って一括で納めるかの判断をしません。申告期限の前に「今売ったらいくらか」を書面でお出しし、その数字で税理士と延納・売却を比べられるようにします。決済日は、納期限に間に合う日程かどうかを先に確かめてから決めます。
根拠:相続税法第38条第1項・第4項/国税庁「No.4211 相続税の延納」「相続税の延納処理状況等」
延納でも払えないときの物納は、再建築不可の土地には高い壁があります。道路に2m以上接していない土地は「物納劣後財産」、境界や通行権がはっきりしない土地は物納に充てられません
相続税法第41条は、延納によっても金銭で納めることが難しいときに限り、申請により物納を許可できると定めています。物納に充てられる財産からは「管理又は処分をするのに不適格なもの」(管理処分不適格財産)が除かれ(同条第2項)、相続税法施行令第18条第1号は、不動産について、境界が明らかでない土地(ハ)、他の土地に囲まれて公道に通じない土地で民法第210条の通行権の内容が明確でないもの(ホ)、二以上の者の共有に属する不動産など(ト。共有者全員で申請する場合などを除く=施行規則第21条第5項)、耐用年数を過ぎた建物(チ。通常の使用ができるものを除く)などを挙げています。さらに、施行令第19条は物納劣後財産として、「建築基準法第43条第1項に規定する道路に2メートル以上接していない土地」(第7号)、「法令の規定に違反して建築された建物及びその敷地」(第2号)、「法令の規定により建物の建築をすることができない土地」(第12号)を挙げています。配偶者居住権の目的となっている建物とその敷地(第5号)も、同じ物納劣後財産です。物納劣後財産は、ほかに物納に充てるべき適当な財産がない場合に限って物納に充てられます(第41条第4項)。再建築不可の家の敷地は、この一覧に重なりやすい土地です。国税庁の「相続税の物納処理状況等」によると、令和7年度の物納の申請は全国で48件でした(同じ年度に処理されたのは許可40件・取下げ等14件・却下4件で、前年度以前の申請を含みます)。物納手続関係書類の提出期限は延長しても最長1年、許可・却下までは原則3か月(最長9か月延長)と国税庁は案内しています。
当社は、物納ができるかどうかの判断をしません。物納を検討される場合でも、境界・通行・共有の状況は査定のときに調べますので、その結果は査定書に書いてお渡しします。物納が難しい土地について、売却で納税資金をつくる場合の買取価格を、同じ書面でお示しします。
根拠:相続税法第41条第1項・第2項・第4項/相続税法施行令第18条第1号、第19条第2号・第5号・第7号・第12号/相続税法施行規則第21条第3項〜第5項/国税庁「No.4214 相続税の物納」「相続税の物納処理状況等」
不整形地・間口狭小・奥行長大の補正率と、竿の部分が自分の土地でない無道路地の扱いは旗竿地(路地状敷地)の買取ページに、固定資産税の評価(固定資産評価基準の画地計算法)との違いは固定資産税の記事にまとめています。
全国では10人に1人、
東京国税局の管内では6人に1人です。
国税庁と東京国税局の「令和6年分 相続税の申告事績の概要」(令和7年12月公表)の数字を、2026年10月1日に確認して並べました。令和7年10月31日までに提出された申告書(修正申告書を除く)に基づく数字です。
| 地域 | 亡くなった方 | 相続税額のある申告 | 課税の割合 | 相続税額のない申告 |
|---|---|---|---|---|
| 全国 | 1,605,378人 | 166,730人 | 10.4% | 39,755人 |
| 東京国税局管内(東京都・神奈川県・千葉県・山梨県) | 328,773人 | 53,379人 | 16.2% | 16,358人 |
出典:国税庁「令和6年分 相続税の申告事績の概要」・東京国税局「令和6年分 相続税の申告事績の概要」。 人数は被相続人(亡くなった方)の数で、亡くなった方の数は厚生労働省の人口動態統計によります。 「相続税額のない申告」は、小規模宅地等の特例などを使って税額が0円になった申告などです。 東京国税局の資料では、相続税額のある申告の相続財産のうち、土地は33.7%、家屋は4.5%でした。 同じ国税庁の「相続税の物納処理状況等」「相続税の延納処理状況等」によると、令和7年度の申請は物納48件、延納1,342件です。
七つの手続を、
確かめる・分ける・申告する・納める・売るの順に並べます。
以下は、条文と国税庁の案内に載っている決まりだけを2026年10月1日に確認して並べたものです。 税額・評価額の目安、税理士の費用、手続にかかる実日数の見込みは含めていません。
相続人と遺産の範囲を確かめる
亡くなったことを知ってすぐ
相続税法第15条
基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を出すため、相続人の数を戸籍で確かめ、遺産の範囲(家・土地・私道の持分・預貯金など)を洗い出す。
補足:相続の放棄があっても、基礎控除の人数は放棄がなかったものとして数える。養子は実子がいれば1人まで、いなければ2人まで。相続放棄は原則3か月以内(民法第915条)。
家と土地の評価の材料をそろえる
申告の準備(相続開始から数か月のうち)
相続税法第22条/財産評価基本通達20-3・24・24-6
登記事項証明書・公図・固定資産評価証明書・道路の種別(2項道路か、43条の道に接しているか)・私道の持分を集める。評価は税理士が行う。
補足:接道義務を満たしていない宅地は無道路地、2項道路に面した宅地はセットバック部分の控除、私道は3割評価(不特定多数の通行なら評価しない)。
遺産分割をまとめる
申告期限まで(特例のためには)
租税特別措置法第69条の4第4項/相続税法第19条の2第2項
小規模宅地等の特例と配偶者の税額軽減は、申告期限までに分割されていない財産には原則として適用されない。申告期限から3年以内に分割すれば、その時点で適用を受けられる。
補足:申告期限に間に合わないときの申告の仕方は国税庁No.4208。分割の進め方は弁護士、調停は家庭裁判所。
申告書を出す
相続の開始を知った日の翌日から10か月以内
相続税法第27条第1項/租税特別措置法第69条の4第7項
被相続人の住所地を所轄する税務署へ。小規模宅地等の特例を使うなら、申告書に適用を受ける旨を記載し、計算の明細書や遺産分割協議書の写しなどを添付する。
補足:特例を使って税額が0円になる場合も、申告しなければ特例は使えない。
納める(一括・延納・物納)
申告期限まで(延納・物納の申請期限も同じ)
相続税法第33条、第38条、第41条
原則は金銭で一括。難しいときは延納(10万円超・担保・最長15年)、延納でも難しいときは物納。延納・物納の申請書と関係書類は納期限までに出す。
補足:延納は利子税がかかる。物納は管理処分不適格財産を除き、道路に2m以上接していない土地は物納劣後財産。令和7年度の申請は延納1,342件・物納48件。
申告期限まで持ち続ける(特例の要件)
同居の親族・家なき子が特定居住用宅地等を取得したとき
租税特別措置法第69条の4第3項第2号イ・ロ
同居の親族は申告期限まで宅地を持ち続け、建物に住み続ける。家なき子は申告期限まで宅地を持ち続ける。配偶者には、この要件は無い。
補足:申告期限より前に売る予定があるなら、売る前に税理士に確かめる。
売る(売ったときの税)
申告期限の後に売る場合も、前に売る場合も
租税特別措置法第39条、第35条第3項
相続税を納めた人が相続した家を売るときは、納めた相続税のうち売った財産に対応する部分を取得費に加算できる(相続開始の翌日から申告期限の翌日以後3年を経過する日まで)。
補足:取得費加算と相続した空き家の3,000万円の特別控除は、どちらか一方。どちらが有利かは税理士へ。詳しくは売ったときの税金の記事。
どの手続にも共通するのは、「相続税がかかる遺産の額か」「誰がその家を取得するか(配偶者か、同居の親族か、それ以外か)」 「申告期限までに分け方と売る時期が決まっているか」の三つです。 当社が買主になる場合は、決済日が申告期限・納期限とどう重なるかを先に確かめてから契約の日程を決め、家の側の資料は当社が揃えます。
申告期限の前でも後でも、
ご相談をお断りすることはありません。
相続税の判定と申告は税理士の、延納・物納の許可は税務署の領分で、当社はその代わりをしません。 当社がするのは、今の状態の買取価格を書面でお出しすることと、 決済日を申告期限・納期限とどう合わせるかを、ご家族と税理士のご意向に沿って組むことです。 結果として当社にお売りにならなくても構いません。
親が住んでいた再建築不可の家を、同居していた子が相続した。早く売りたい
被相続人と同じ建物に住んでいた親族が特定居住用宅地等の特例を使うには、相続開始の時から申告期限まで宅地を持ち続け、その建物に住み続けることが要件です(租税特別措置法第69条の4第3項第2号イ)。申告期限(10か月)の前に売ると、特例が使えなくなることがあります。相続税がそもそもかからない遺産の額なら、この要件は関係ありません。まず税理士に、相続税がかかるか・特例を使う前提かを確かめてください。当社は査定書を先にお出しし、決済日を申告期限の後に置くご相談もお受けします。
母(配偶者)が再建築不可の家を相続した。施設に入るので売りたい
配偶者が取得した特定居住用宅地等には、申告期限まで持ち続ける・住み続けるという要件がありません(租税特別措置法第69条の4第3項第2号本文)。一方で、配偶者の税額軽減(相続税法第19条の2)も含め、どの特例をどう使うかは申告全体で決まるので、税理士にご確認ください。お母さまご自身が判断できる状態でないときは、成年後見の手続が先になることがあります。当社は、お母さまの転居の予定に合わせて引渡しの時期をご相談します。
相続税を払うお金が足りない。家を物納できると聞いた
物納は、延納によっても金銭で納めることが難しいときに限られます(相続税法第41条第1項)。再建築不可の家の敷地は、道路に2m以上接していなければ物納劣後財産(施行令第19条第7号)で、ほかに適当な財産がないときに限って物納に充てられます。境界が明らかでない、通行権の内容がはっきりしない、共有者の一部だけで申請する、といった場合は管理処分不適格財産で、物納に充てられません(施行令第18条第1号)。延納(第38条)を検討するか、家を売って納税資金をつくるかを、税理士と比べてください。当社は、申告期限までに間に合う日程で買取価格をお出しします。
兄弟で分け方がまとまらないまま、申告期限が近づいている
申告期限までに分割されていない宅地には、小規模宅地等の特例は原則として使えません(租税特別措置法第69条の4第4項)。それでも申告と納税の期限は変わりません。未分割のまま法定相続分で申告し、申告期限から3年以内に分割すれば、その時点で特例を受けられる道があります(同項ただし書・国税庁No.4208)。当社は、相続人の皆さまに同じ査定書をお渡しし、「売って分ける」場合の数字を先にお示しします。分割の進め方は弁護士へ、申告は税理士へ。
路線価で計算すると高いのに、再建築不可で売値が低い。評価に納得できない
相続税法第22条は時価によると定め、国税庁の財産評価基本通達は、接道義務を満たしていない宅地を無道路地として控除し(20-3)、2項道路に面した宅地のセットバック部分を控除する(24-6)などの定めを置いています。これらが正しく当てはめられているかを、まず税理士に確かめてください。評価の方法そのものをどう扱うかは、税理士の判断の領分で、当社が助言することはできません。当社にできるのは、実際にいくらで買い取れるかを書面でお出しすることです。その査定書は、税理士とのお話の材料になります。
再建築不可という制度そのものの説明、査定で見ている五つの点、買取までの流れは再建築不可物件の買取ページに、道路の種類と建て替えの許可(第43条第2項)の見込みは未接道の土地・建物の買取ページにまとめています。
相続が起きた直後に確かめること(相続放棄の3か月・相続登記の義務・空き家の3,000万円控除)は相続の記事に、売ったときの税金(取得費が分からないときの5%・相続税の取得費加算と3,000万円控除の選択)は売ったときの税金の記事に、名義が祖父母のままの家(数次相続・相次相続控除)は数次相続の記事に、遺言書が見つかった家は遺言書の記事に、親の一方が住み続けている家の配偶者居住権は配偶者居住権の記事に、共有になった家は共有の記事に、相続した土地を国に引き取ってもらう道は国庫帰属の記事に、名義のご本人が判断できなくなっているときは成年後見の記事にまとめています。
私道の持分と通行・掘削の承諾は私道の通行・掘削の記事に、隣地との境界と越境は境界と越境の記事に、建築計画概要書や道路の種別を自分で確かめる手順は調べ方の記事に、家を壊すかどうかは解体して更地にするかの記事にまとめています。
区ごとの建て替えの許可制度、不燃化特区、区役所の窓口は、足立区・葛飾区・北区・板橋区・荒川区・墨田区のページにまとめています。相続税の申告は区役所ではなく、亡くなった方の住所地を所轄する税務署です。
再建築不可の家の相続税についての Q&A
買取のご相談の中で、実際によくいただくご質問をまとめました。 いずれも制度の一般的な説明です。個々の相続で税がかかるか、いくらか、特例や延納・物納が使えるかは、 税理士・税務署へご確認ください。
このページについて
- 作成・運営
- 株式会社First Realty
- 代表者
- 代表取締役 野口 勇
- 宅地建物取引士
- 野口 勇(登録番号 第261304583号)
- 免許
- 宅地建物取引業 東京都知事免許(1)第113689号
- 所在地
- 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-1-3 アミーホール5F
- 電話
- 03-6821-4617(10:00 – 19:00/定休 火曜・水曜)
- 加盟団体
- 公益社団法人 東京都宅地建物取引業協会/公益社団法人 全国宅地建物取引業保証協会
- 参照した運用の資料
- 国税庁 タックスアンサー(No.4102・4124・4152・4205・4208・4211・4214)・財産評価基本通達(20-3・24・24-6)・ 「令和6年分 相続税の申告事績の概要」(国税庁・東京国税局)・「相続税の物納処理状況等」「相続税の延納処理状況等」
- 条文・資料の確認日
- 2026年10月1日
- 最終更新
このページが参照した公開情報
本文の条番号は、以下の公開情報を2026年10月1日に確認して記載しています。 申告事績は令和6年分(令和7年12月公表)、物納・延納の処理状況は令和7年度までのもので、毎年更新されます。 このページは制度の一般的な説明であり、個々の相続で相続税がかかるか、評価額や税額がいくらか、 特例・延納・物納が使えるかを判定するものではありません。 評価通達によらない評価が問題になった事例など、裁判例で扱いが決まる点は、原文を確認できていないため書いていません。
- 相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)|e-Gov法令検索
- 相続税法施行令(昭和二十五年政令第七十一号)|e-Gov法令検索
- 相続税法施行規則(昭和二十五年大蔵省令第十七号)|e-Gov法令検索
- 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)|e-Gov法令検索
- No.4102 相続税がかかる場合|国税庁
- No.4152 相続税の計算|国税庁
- No.4205 相続税の申告と納税|国税庁
- No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁
- No.4208 相続財産が分割されていないときの申告|国税庁
- No.4211 相続税の延納|国税庁
- No.4214 相続税の物納|国税庁
- 財産評価基本通達 第2章 土地及び土地の上に存する権利(20-3 無道路地の評価)|国税庁
- 財産評価基本通達 第2章 土地及び土地の上に存する権利(24 私道・24-6 セットバック)|国税庁
- 令和6年分 相続税の申告事績の概要|国税庁
- 令和6年分 相続税の申告事績の概要(PDF)|東京国税局
- 相続税の物納処理状況等|国税庁
- 相続税の延納処理状況等|国税庁
- 延納・物納申請等|国税庁
当社は不動産の買取業者であり、税理士法にいう税務代理・税務相談を行う立場にはありません。 相続税がかかるか、評価額と税額、どの特例を使うか、延納・物納の可否は、税理士または所轄の税務署へご確認ください。 当社にできるのは、今の状態の買取価格を書面でお出しすることと、 決済日を申告期限・納期限とどう合わせるかのご相談をお受けすること、 家の側の資料(登記事項証明書・公図・固定資産評価証明書・道路の種別の調査結果)を当社の負担で揃えることです。 その書面は、税理士とお話しになるときに、そのままお使いいただけます。
申告期限の前でも後でも、今の状態のままご相談ください
決済日は申告期限に合わせてご相談できます。担当者より1営業日以内にご連絡いたします。査定・ご相談は完全無料です。
相続税の期限が近い家も、
お断りすることはありません。
申告期限の前でも、遺産分割がまとまる前でも、ご相談いただけます。 今の状態の買取価格を書面でお出しします。 査定は完全無料、秘密厳守です。
宅地建物取引業 東京都知事免許(1)第113689号
