
配偶者居住権を持つ親が、
認知症になったら
居住権を消す合意も放棄も、本人の意思表示です。 意思能力、成年後見人、家庭裁判所の許可、利益相反、対価の税を、条文と裁判所・国税庁の資料で整理しました。
宅地建物取引業 東京都知事免許(1)第113689号
売れなくなるのではありません。
「誰が、どの手続で決めるか」が変わります。
父が亡くなったとき、実家の所有権は子が相続し、母には配偶者居住権を付けた。 その母が認知症になり、施設に入ることになった——。 施設の費用のために実家を売りたいが、家には母の居住権が付いたままになっている。 母はもう、書類の意味を理解できる状態ではない。 配偶者居住権という制度が2020年4月に始まってから、こうしたご相談が形になり始めています。
先に結論を言うと、売れなくなるのではありません。決め方が変わります。居住権を消す合意も放棄も本人の意思表示で、意思能力を欠く状態でした意思表示は無効です(民法第3条の2)。代わって決めるのは成年後見人などの法定の代理人で、住まいに関わる処分には家庭裁判所の許可の仕組みがあり、裁判所は「許可を得ないで処分をした場合、その処分は無効」と明記しています(第859条の3)。後見人が建物の所有者(子)と同じ人なら、利益相反の手当ても要ります。
このページでは、この場面で動く決まりを六つに整理し、後見・保佐・補助・任意後見の違いを条文で並べます。条文は2026年10月4日にe-Gov法令検索で本文を取得して突き合わせ、運用は裁判所・国税庁・法務省の公開資料を同日に確認しました。 先に申し上げておきます。当社は不動産の買取業者で、後見・保佐・補助のどれに当たるかの判定、放棄が許可の対象かの断定、税額の計算はしません。配偶者居住権の対価の相場も書きません。当社がするのは、居住権が残る前提と消えた前提の二通りの買取価格を書面でお出しし、 ご家族と家庭裁判所が判断するための材料を揃えることです。
「売れるか」の前に、
どの条文が、誰に何を求めているかの話をします。
いずれもe-Gov法令検索の条文本文と、裁判所・国税庁・法務省の公開資料で確認した内容です。 個々のご家族で後見・保佐・補助のどれに当たるか、ある行為が許可の対象に当たるか、税がいくらになるかを判定するものではありません。 判定は家庭裁判所・弁護士・司法書士・税理士へご確認ください。 ここでは、どの決まりが、どの場面で、誰に何を求めているのかまでをお伝えします。
配偶者居住権は、家族の総意では消せません。消す合意も放棄も配偶者本人の意思表示で、意思能力を欠く状態でした意思表示は無効です
配偶者居住権は、譲渡することができません(民法第1032条第2項)。死亡・期間満了・建物の全部滅失を待たずにこの権利を消すには、所有者との合意、配偶者による放棄、または用法違反の消滅請求によることになります(消える場面の全体は配偶者居住権の記事にまとめました)。つまり、居住権を消して所有権だけの状態で家を売るには、建物の所有者(多くは子)の意思だけでは足りず、配偶者(親)の「消す」という意思表示が要ります。そして民法第3条の2は、「法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする」と定めています。認知症が進んで、放棄や合意の意味を理解できない状態でした意思表示は、はじめから無効です。後見開始の審判を受けたあとに本人がした法律行為は、日用品の購入など日常生活に関する行為を除き、取り消すことができます(第9条)。「家族全員が賛成している」「本人も元気なころは売ると言っていた」では、この二つの条文は越えられません。
当社は、ご本人の判断能力に不安がある状態で放棄や合意の書面に署名いただく取引はしません。居住権が付いたままの前提での買取のご相談と、後見の手続を経たうえでの売却のご相談、どちらの道も書面でご説明します。
根拠:民法第3条の2、第9条、第1032条第2項・第4項、第1036条
代わって決められるのは、法律か審判で代理権を与えられた人だけです。成年後見人の物差しは「本人のため」——売る理由が問われます
本人の意思表示を代われるのは、法律か家庭裁判所の審判で代理権を与えられた人だけです。精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある方については、本人・配偶者・四親等内の親族などの請求により家庭裁判所が後見開始の審判をし(民法第7条)、成年後見人が本人の財産を管理し、財産に関する法律行為について本人を代表します(第859条第1項)。申立ての手順・費用・審理期間・後見人に誰が選ばれているかの統計は、成年後見の記事にまとめました。大事なのは、後見人は「家族のため」ではなく「本人のため」に動く建て付けだということです。第858条は、成年後見人は本人の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を行うに当たっては、本人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない、と定めています。家を売ったお金を本人の施設の費用や療養の費用に充てるのか、それとも家族の都合なのか。次の03の家庭裁判所の許可でも、この処分の必要性が資料で確かめられます。
当社の査定書は「今の状態でいくらで売れるのか」を書面にしたものです。後見の申立てや処分を検討される際、本人の利益を説明する材料としてお使いいただける形でお出しします。
根拠:民法第7条、第858条、第859条第1項
住まいを動かす処分には、家庭裁判所の許可の仕組みがあります。裁判所は「許可を得ないで処分をした場合、その処分は無効」と明記しています
民法第859条の3は、「成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない」と定めています。裁判所の手続案内は、この居住用不動産について、現に住居として使用している場合に限らず、本人が現在は病院や施設に入所しているため居住していないが、将来居住する可能性がある場合、又は入所前に居住していた場合なども含む、と明記しています。施設に入ったから居住用ではなくなった、とはならないということです。そして、家庭裁判所の許可を得ないで処分をした場合、その処分は無効となる、とも明記しています。では、配偶者居住権を消す合意や放棄は、この許可の対象でしょうか。条文は「居住の用に供する建物又はその敷地について」の処分と書き、本人がその建物を所有していることを要件には挙げていません。裁判所の案内が処分の例として挙げるのは売却、抵当権の設定、賃貸借契約の締結・解除、建物取り壊し等で、配偶者居住権の放棄そのものは挙がっていません。ただ、この列挙には、所有権の処分ではない「賃貸借の解除」——借りて住む権利を手放す行為——が含まれており、配偶者居住権は、国税庁の資料で賃借権類似の法定債権と整理されている権利です。「これらに準ずる処分」に当たるかどうかは条文に明記がないため、申立先となる家庭裁判所(後見開始の審判をした家庭裁判所)・弁護士・司法書士に確かめてから進んでください。無許可の処分は無効と裁判所が明記している以上、確かめずに進む理由はありません。
許可の申立ての標準的な添付書類には、処分の必要性を証する資料として「不動産業者作成の査定書」(売却する場合)が挙げられています。当社の無料査定書は、価格の根拠と前提(居住権が残る前提か・消えた前提か)を明記した、この添付書類としてお使いいただける形でお出しします。
根拠:民法第859条の3/裁判所「成年被後見人(被保佐人、被補助人)の居住用不動産の処分についての許可」(申立手数料は収入印紙800円分)
後見人が建物の所有者(子)と同じ人なら、利益相反です。監督人か特別代理人が、本人を代表します
配偶者居住権でよくある形は、建物の所有者が子、居住権が親、そして親の成年後見人も同じ子、というものです。居住権を消す合意は、消してもらう側(所有者=子)と消す側(本人=親)の取引ですから、後見人がその両方の立場に立つことになります。対価をいくらにするか、あるいは払わないのかで、子と親の利益は正面からぶつかります。民法は、この場面に備えた条文を置いています。後見監督人がいない場合、後見人は、本人との利益が相反する行為については、特別代理人の選任を家庭裁判所に請求しなければなりません(第860条が準用する第826条)。後見監督人がいる場合は、その監督人が本人を代表します(第851条第4号・第860条ただし書)。保佐では臨時保佐人(第876条の2第3項)、補助では臨時補助人(第876条の7第3項)、任意後見では、必ず選任されている任意後見監督人が本人を代表します(任意後見契約に関する法律第7条第1項第4号)。つまり、どの枠組みでも、「子が親の代理人として、自分との取引を自分で決める」ことはできない建て付けです。対価の目安になる配偶者居住権の価額の評価の仕組みは、配偶者居住権の記事にまとめました。
当社は、売主側のご家族の誰の利益も代理しない、取引の外側の第三者です。特別代理人・監督人・家庭裁判所が対価や処分の必要性を検討する材料として、居住権が残る前提と消えた前提の二通りの査定書をお出しします。
根拠:民法第826条、第851条第4号、第860条、第876条の2第3項、第876条の7第3項/任意後見契約に関する法律第7条第1項第4号
保佐・補助・任意後見では、できることと手続が違います。軽い段階の枠組みほど、本人の同意が条文で要求されています
判断能力の低下には程度があり、民法は後見・保佐・補助の三段階と、元気なうちに自分で決めておく任意後見を用意しています。注意したいのは、軽い段階の枠組みほど、本人の関与が条文で要求されていることです。保佐人は、当然には本人を代理しません。不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為には保佐人の同意が要りますが(第13条第1項第3号)、保佐人が本人に代わって放棄や合意をするには、特定の法律行為について代理権を付与する審判が別に必要で(第876条の4第1項)、本人以外の者の請求でこの審判をするには、本人の同意がなければなりません(同条第2項)。補助は、開始の審判そのものに本人の同意が要ります(第15条第2項)。本人の同意を得られない状態まで進んでいるなら、保佐・補助の枠組み自体が使えず、後見が相当かどうかの話になっていきます。どの類型に当たるかは、家庭裁判所が医師の診断書等をもとに判断します。居住用不動産の処分の許可(第859条の3)は保佐・補助にも準用され(第876条の5第2項・第876条の10第1項)、許可を申し立てられるのは代理権が付与されている場合です(裁判所の案内)。任意後見では、代理できる範囲は公正証書の契約で定めた代理権目録によります。そして、任意後見について第859条の3を準用する規定が置かれていないことは、成年後見の記事に書いたとおりです(任意後見契約に関する法律第7条第4項の列挙に第859条の3は含まれていません)。
どの枠組みになるかで、手続に要する時間も関わる人も変わります。当社は査定書に有効期間を明記し、手続の進み方に合わせて無料で査定を更新します。
根拠:民法第13条第1項第3号、第15条第2項、第876条の4、第876条の5第2項、第876条の9、第876条の10第1項/任意後見契約に関する法律第2条第1号、第7条第4項
対価を受けて消すと、総合課税の譲渡所得です。土地や建物を売ったときの分離課税ではなく、特別控除は50万円です
税は、消し方で枠組みが変わります。第一に、対価を受けずに、または著しく低い対価で、合意・放棄・消滅請求により配偶者居住権が消えた場合、原則として、建物(または敷地)の所有者が、消滅直前の配偶者居住権の価額に相当する利益を配偶者から贈与によって取得したものとして取り扱われます(相続税法基本通達9-13の2)。第二に、対価を受けて消した場合、その対価は配偶者の譲渡所得の収入金額です(所得税基本通達33-6の8)。このとき、国税庁の趣旨説明(資産課税課情報第24号・令和2年12月1日)は、配偶者居住権は賃借権類似の法定債権の性質を有することから総合課税の譲渡所得として課税すべきものとし、租税特別措置法第31条・第32条で分離課税とされる譲渡所得の基因となる資産に、配偶者居住権と配偶者敷地利用権は含まれないことを通達(31・32共-1)で明らかにしています。国税庁の記載例(資産課税課情報第26号)では、申告には「譲渡所得の内訳書【総合譲渡用】」を使い、総合課税の譲渡所得の特別控除は50万円(譲渡益が50万円に満たない場合はその額)、長期か短期かの判定には、亡くなった方(被相続人)が建物を取得した日を基準にする注記が置かれています。取得費は、所得税法第60条第2項・第3項に計算の定めがあり、専用の計算明細書があります。土地や建物の分離課税を前提とする特例が使えるかどうかを含め、個々の計算は税理士へご確認ください。当社は税務代理・税務相談を行う立場にありません。
当社は、査定書で「所有権の分」と「居住権が消えることによる増分」の前提を書き分けます。対価の検討や税の申告の際に、どの金額が何の前提かが分かる形でお渡しするためです。
根拠:相続税法基本通達9-13の2/所得税基本通達33-6の8/国税庁 資産課税課情報第24号・第26号/所得税法第33条第3項・第4項、第60条第2項・第3項
同じ「代わって決める」でも、
枠組みごとに、根拠と手続が違います。
民法と任意後見契約に関する法律の条文、裁判所の手続案内を2026年10月4日に確認して並べました。 どの枠組みに当たるかは、家庭裁判所が医師の診断書等をもとに判断します。 この表が代わりに判定するものではありません。
| 枠組み | 代わって決める人と、代理の根拠 | 居住用不動産の処分の許可(859条の3) | 利益相反のとき、本人を代表する人 |
|---|---|---|---|
| 成年後見 | 成年後見人が、本人の財産に関する法律行為について本人を代表する(民法859条1項)。後見人は家庭裁判所が選任する。 | 必要(859条の3)。申立先は後見開始の審判をした家庭裁判所、申立手数料は収入印紙800円分。 | 後見監督人がいればその監督人が本人を代表(851条4号)。いなければ、特別代理人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない(860条が準用する826条)。 |
| 保佐 | 保佐人は当然には代理しない。特定の法律行為について代理権を付与する審判が別に必要(876条の4第1項)で、本人以外の者の請求には本人の同意が要る(同条2項)。不動産など重要な財産の権利の得喪を目的とする行為には保佐人の同意が必要(13条1項3号)。 | 代理権が付与されている場合に859条の3を準用(876条の5第2項)。許可を申し立てられるのも、代理権が付与されている場合(裁判所の案内)。 | 保佐監督人がいればその監督人。いなければ、臨時保佐人の選任を家庭裁判所に請求(876条の2第3項)。 |
| 補助 | 開始の審判そのものに本人の同意が必要(15条2項)。同意権・代理権は、審判で選んだ特定の行為に限られる(17条1項・876条の9)。 | 代理権が付与されている場合に859条の3を準用(876条の10第1項)。 | 補助監督人がいればその監督人。いなければ、臨時補助人の選任を家庭裁判所に請求(876条の7第3項)。 |
| 任意後見 | 任意後見人が、公正証書の契約で定めた代理権目録の範囲で代理する。効力は、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から(任意後見契約に関する法律2条1号)。 | 859条の3を準用する規定は置かれていない(同法7条4項の列挙に859条の3は無い。成年後見の記事参照)。 | 任意後見監督人が本人を代表する(同法7条1項4号。任意後見では監督人が必ず選任されている)。 |
出典:民法第13条・第15条・第17条・第851条・第859条・第859条の3・第860条・第876条の2・第876条の4・第876条の5・第876条の7・第876条の9・第876条の10/任意後見契約に関する法律第2条・第7条/裁判所「成年被後見人(被保佐人、被補助人)の居住用不動産の処分についての許可」。 保佐・補助で代理権を付与する審判は、本人以外の者の請求による場合、本人の同意がなければできません(民法第876条の4第2項・第876条の9第2項)。
六つの手続を、
確かめる・立てる・許しを得る・消す・納めるの順に並べます。
以下は、条文と裁判所・国税庁の案内に載っている決まりだけを2026年10月4日に確認して並べたものです。 予納金や報酬の実額の見込み、手続全体にかかる期間の見込み、対価の相場は含めていません。
建物の登記と、居住権の中身を確かめる
最初に(ご相談の前でも)
不動産登記法第3条第9号・第81条の2
建物の登記事項証明書の権利部(乙区)に「配偶者居住権設定」の登記があるか、存続期間が終身か年限か、第三者に建物を使わせてよい定めがあるかを確かめます。登記の仕組みと、登記が無い場合の扱いは、配偶者居住権の記事にまとめました。
補足:当社の査定では、乙区の記載を査定書の前提欄にそのまま書き写します。
後見(保佐・補助)開始の審判の申立て
本人が自分で決められる状態でないとき
民法第7条・第11条・第15条/家事事件手続法第117条第1項
申立先は本人の住所地の家庭裁判所です。申立ての手順・費用・審理期間・後見人に誰が選ばれているかの統計は、成年後見の記事にまとめました。補助は開始の審判そのものに本人の同意が要ります(民法第15条第2項)。
補足:後見開始の申立ては、審判の前でも家庭裁判所の許可がなければ取り下げられません(家事事件手続法第121条第1号)。売却だけを目的にした申立てが途中でやめられない理由として、成年後見の記事に書きました。
居住用不動産の処分についての許可の申立て
住まいに関わる処分の前(無許可の処分は無効になるため、必ず先に)
民法第859条の3(保佐・補助には第876条の5第2項・第876条の10第1項で準用)
申立先は後見開始(保佐開始、補助開始)の審判をした家庭裁判所、申立手数料は収入印紙800円分です。標準的な添付書類は、処分の必要性を証する資料——契約書の写し、処分する不動産の評価証明書、売却する場合は不動産業者作成の査定書——と、処分する不動産の登記事項証明書等です。
補足:配偶者居住権を消す合意・放棄がこの許可の対象に当たるかは条文に明記がないため、申立先の家庭裁判所にご確認ください。
利益相反があるときは、本人を代表する人を立てる
後見人等が、取引の相手方(またはその関係者)でもあるとき
民法第860条・第826条、第851条第4号、第876条の2第3項、第876条の7第3項/任意後見契約に関する法律第7条第1項第4号
後見監督人がいない場合は、特別代理人の選任を家庭裁判所に請求します。保佐では臨時保佐人、補助では臨時補助人。任意後見では、必ず選任されている任意後見監督人が本人を代表します。
補足:対価の目安になる配偶者居住権の価額の評価(相続税法第23条の2・国税庁No.4666)は、配偶者居住権の記事にまとめました。
合意・放棄の書面と、抹消の登記
許可と代理の形が整ってから
登記の記載例は法務局(配偶者居住権の記事を参照)
合意による消滅の抹消登記は、所有者と配偶者(代理の形が整った側)の共同申請で、登録免許税は建物1個につき1,000円です。配偶者居住権の登記の後に賃借権の登記がある場合は、その賃借権者の承諾が要ります。
補足:書面の作り方と登記の申請は、司法書士へご相談ください。
税の整理と申告
消した年の翌年の確定申告まで
所得税法第33条・第60条第2項・第3項/相続税法基本通達9-13の2
対価なし(または著しく低い対価)なら、所有者側に贈与税の問題が生じ得ます。対価を受けたなら、配偶者の総合課税の譲渡所得で、申告には「譲渡所得の内訳書【総合譲渡用】」と取得費の計算明細書を使います(特別控除は50万円)。
補足:税額の計算と特例の適用の有無は、税理士または税務署へ。当社は税務相談を行いません。
どの手続にも共通するのは、「本人のための処分であることを、資料で説明できるか」です。 当社の査定書は、裁判所の案内が標準的な添付書類に挙げる「不動産業者作成の査定書」として お使いいただける形でお出しします。費用はかかりません。
後見の手続の前でも途中でも、
ご相談をお断りすることはありません。
後見・保佐・補助の判定は家庭裁判所の、進め方の助言は弁護士・司法書士の、税の計算は税理士の領分で、当社はその代わりをしません。 当社がするのは、居住権が残る前提と消えた前提の二通りの買取価格を書面でお出しすることと、 ご家族・特別代理人・家庭裁判所が検討するための材料を揃えることです。 結果として当社にお売りにならなくても構いません。
施設の費用のために、実家を売ってお金にしたい
後見人が本人に代わって進める場合、家庭裁判所の許可では処分の必要性が資料で確かめられ、標準的な添付書類には不動産業者作成の査定書が挙がっています。当社は、居住権が残る前提と消えた前提の二通りの買取価格を書面でお出しします。売却までの時間は後見の審理と許可の手続で決まるため、査定書には有効期間を明記し、手続の進み方に合わせて無料で更新します。
子の私が母の成年後見人で、建物の名義も私
利益相反の場面です。後見監督人が選任されていなければ、特別代理人の選任を家庭裁判所に請求することになります(民法第860条・第826条)。当社は、ご家族の誰の代理人でもない第三者として、対価の検討材料になる査定書をお出しします。進め方そのものは、家庭裁判所・弁護士・司法書士にご確認ください。
まだ後見の手続を始めていない。何から手を付ければいいか分からない
後見の申立ての手順・費用・審理期間の統計は成年後見の記事に、配偶者居住権の登記の確かめ方は配偶者居住権の記事にまとめています。当社への査定のご依頼は、後見の手続より先でも構いません。「売るといくらになるか」は、後見を申し立てるかどうか、どの処分を家庭裁判所に諮るかを考えるための材料になります。
居住権を消さずに、そのまま現金化できないか
配偶者居住権そのものは売れませんが(民法第1032条第2項)、所有者(子)が、居住権が付いたままの建物と土地を売ることは禁じられていません。親御さまの住まいはそのままに、所有権だけを当社が買い取る形のご相談もお受けします。この道は本人の意思表示が要らないため、認知症が進んでいても検討できます。ただし、住み続ける前提が崩れないよう、存続期間と登記の確認を先に行います。
これから遺産分割。親が将来認知症になったときのことも考えて決めたい
配偶者居住権の存続期間は原則として終身ですが、遺産の分割の協議・遺言・家庭裁判所の審判で別段の定めができます(民法第1030条)。期間を定めるか、終身にするか、そもそも配偶者居住権を使うかで、将来家を動かせる場面が変わります。元気なうちの備え(任意後見契約)は成年後見の記事に、遺言で居住権を残すときの注意は配偶者居住権の記事にまとめました。分け方の判断は、弁護士・司法書士にご相談ください。
再建築不可という制度そのものの説明、査定で見ている五つの点、買取までの流れは再建築不可物件の買取ページに、道路の種類と建て替えの許可(第43条第2項)の見込みは未接道の土地・建物の買取ページにまとめています。
配偶者居住権の仕組み(登記・売れるもの・消える場面・評価・税の基本)は配偶者居住権の記事に、名義のご本人が判断できなくなっているとき(後見の始め方・費用・統計・税の期限)は成年後見の記事に、相続が起きた直後に確かめることは相続の記事に、遺言書が見つかったときは遺言書の記事に、共有になった家は共有の記事に、相続人の一人と連絡が取れないときは相続人と連絡が取れない記事に、名義が祖父母のままの家は数次相続の記事にまとめています。
家と土地の相続税(物納と再建築不可の関係)は相続税の記事に、売ったときの税金(譲渡費用・取得費)は売ったときの税金の記事に、住んでいる人がいる家を売るときは住んだまま売る記事に、家財が残ったままの家は残置物(家財)の記事に、増築した部分や検査済証の無い家が違反建築に当たるのか(既存不適格との違い・是正命令・6区の防火地域)は違反建築の記事にまとめています。
区ごとの建て替えの許可制度、不燃化特区、区役所の窓口は、足立区・葛飾区・北区・板橋区・荒川区・墨田区のページにまとめています。
配偶者居住権と認知症についての Q&A
買取のご相談の中で、実際によくいただくご質問をまとめました。 いずれも制度の一般的な説明です。個々のご家族でどの枠組みに当たるか、ある行為が許可の対象に当たるか、税がいくらになるかは、 家庭裁判所・弁護士・司法書士・税理士へご確認ください。
このページについて
- 作成・運営
- 株式会社First Realty
- 代表者
- 代表取締役 野口 勇
- 宅地建物取引士
- 野口 勇(登録番号 第261304583号)
- 免許
- 宅地建物取引業 東京都知事免許(1)第113689号
- 所在地
- 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-1-3 アミーホール5F
- 電話
- 03-6821-4617(10:00 – 19:00/定休 火曜・水曜)
- 加盟団体
- 公益社団法人 東京都宅地建物取引業協会/公益社団法人 全国宅地建物取引業保証協会
- 参照した運用の資料
- 裁判所「成年被後見人(被保佐人、被補助人)の居住用不動産の処分についての許可」・ 国税庁 資産課税課情報第24号(令和2年12月1日)・第26号(令和2年12月16日)・ 相続税法基本通達9-13の2・所得税基本通達33-6の8・No.4666・ 法務省「残された配偶者の居住権を保護するための方策が新設されます。」
- 条文・資料の確認日
- 2026年10月4日
- 最終更新
このページが参照した公開情報
本文の条番号は、以下の公開情報を2026年10月4日に確認して記載しています。 このページは制度の一般的な説明であり、個々のご家族で後見・保佐・補助のどれに当たるか、 ある行為が家庭裁判所の許可の対象に当たるか、税がいくらになるかを判定するものではありません。 配偶者居住権の放棄が民法第859条の3の「これらに準ずる処分」に当たるかを扱った裁判例は、 原文を確認できていないため書いていません。
- 民法(明治二十九年法律第八十九号)|e-Gov法令検索
- 任意後見契約に関する法律(平成十一年法律第百五十号)|e-Gov法令検索
- 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)|e-Gov法令検索
- 成年被後見人(被保佐人、被補助人)の居住用不動産の処分についての許可|裁判所
- 資産課税課情報第24号「『租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて』等の一部改正について(法令解釈通達)」の趣旨説明(令和2年12月1日・PDF)|国税庁
- 資産課税課情報第26号「配偶者居住権に関する譲渡所得に係る取得費の金額の計算明細書」等の記載例について(令和2年12月16日・PDF)|国税庁
- 相続税法基本通達 第9条《その他の利益の享受》関係(9-13の2)|国税庁
- 所得税基本通達 法第33条《譲渡所得》関係(33-6の8)|国税庁
- No.4666 配偶者居住権等の評価|国税庁
- 残された配偶者の居住権を保護するための方策が新設されます。|法務省
当社は不動産の買取業者であり、後見等の申立ての代理、法律判断、税務相談を行う立場にはありません。 枠組みの判定と許可は家庭裁判所へ、進め方は弁護士・司法書士へ、税は税理士または税務署へご確認ください。 当社にできるのは、居住権が残る前提と消えた前提の二通りの買取価格を書面でお出しすること、 査定書を家庭裁判所への申立ての添付書類としてお使いいただける形で揃えること、 家の側の資料(登記事項証明書・公図・道路の種別の調査結果)を当社の負担で揃えることです。
後見の手続の前でも途中でも、ご相談ください
手続の途中でもご相談いただけます。担当者より1営業日以内にご連絡いたします。査定・ご相談は完全無料です。
居住権が付いたままでも、
お断りすることはありません。
後見の手続の前でも、利益相反の整理がつく前でも、ご相談いただけます。 居住権が残る前提と消えた前提の二通りの買取価格を書面でお出しします。 査定は完全無料、秘密厳守です。
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