
再建築不可の家を買取で売るとき、
契約から決済までに何が起きるのか
契約書の12項目、手付と違約金、権利証・住所・本人確認の準備、残代金と登記を同じ日にする理由、 印紙と登録免許税と固定資産税の精算、登記完了の確かめ方を、条文と国税庁・法務省・東京都の資料で整理しました。
宅地建物取引業 東京都知事免許(1)第113689号
「契約したら終わり」ではありません。
契約の日と決済の日の間に、売主がすることがあります。
買取に決め、業者を選び、価格に納得した。次は契約です。ところが、買取業者のサイトにある「査定→契約→決済」の図は、 契約の日と決済の日の間に売主が何を用意し、決済の場で何が起き、どの費用を誰が払うのかを、ほとんど書いていません。 このページは、その間を条文で埋めるためのものです。
先に整理しておきます。買取では売主に重要事項説明がなく、契約書(宅地建物取引業法第37条の書面)が唯一の説明書です。手付は民法第557条のとおり、買主(業者)は放棄して、売主は倍額を現実に提供して解除でき、相手方が履行に着手した後は解除できません。 手付2割・違約金2割の上限は業者が売主のときだけで、買取の売主には届かず、代わりに消費者契約法第9条が効きます。登記簿の住所が古いままだと申請は却下され(不動産登記法第25条第7号)、住所変更登記は2026年4月1日から2年以内の義務になりました。権利証を失くしても、事前通知か司法書士の本人確認情報で売れます。本人確認書類を求められるのは法律上の義務のためで、買主と司法書士の両方から求められます。 残代金の支払と登記の申請を同じ日にするのは、登記が受付番号の順で効力の先後を決めるからです(第20条)。固定資産税は1月1日の所有者が全額納め、日割りの精算は当事者間の約束にとどまり、受け取った精算金は譲渡所得の収入になります。印紙税の軽減は2027年3月31日まで、個人が出す領収書に印紙は要りません。
このページでは、契約から決済・引渡しまでに知っておきたい決まりを六つに整理し、契約書の12項目で確かめること、時系列、費用と税の一覧を表にしました。条文は2026年10月8日にe-Gov法令検索で本文を取得して突き合わせ、民法第557条は2020年3月31日時点の条文も取って読み比べました。運用は国税庁・法務省・東京法務局・国土交通省・東京都主税局の公開資料を同日に読みました。 先に申し上げておきます。当社は不動産の買取業者で、このページに書いた「売主が確かめること」の相手方になる側です。だからこそ、売主が何を確かめればよいかを先に全部書きます。当社との契約にも、同じ物差しをそのまま当ててください。
「流れ」ではなく、
それぞれの場面で、どの条文が、誰に、何を求めているかの話をします。
いずれもe-Gov法令検索の条文本文と、国税庁・法務省・国土交通省・東京都の公開資料で確認した内容です。 個々の契約書の有効・無効を判定するものではありません。 契約の解釈は弁護士へ、登記の手続は司法書士へ、税の申告は税理士へご確認ください。 ここでは、どの決まりが、誰に、何を求めているのかまでをお伝えします。
「契約の日」と「決済の日」は別の日です。買取の売主には重要事項説明がなく、契約書(第37条の書面)が唯一の説明書になります
売買は、売主が財産権を移転することを約し、買主が代金を支払うことを約することで成立します(民法第555条)。契約書に署名した日が「契約の日」、残代金を受け取って登記の申請書類と鍵を渡す日が「決済の日(引渡しの日)」で、多くの売買契約書は、所有権が移転する時期を残代金の支払時と定めています。物権の移転は当事者の意思表示だけで効力を生じますが(第176条)、登記をしなければ第三者に対抗できません(第177条)。この二つの日の間に、売主がすることと、相手が確かめることがあります。買取で先に知っておきたいのは、売主に届く「説明」の中身です。宅地建物取引業法第35条の重要事項説明は、業者が「取得し、又は借りようとしている」相手に対してするものなので、業者が買主になる買取では、売主は重要事項説明を受けません(仲介と買取の違いの記事)。売主に届く法律上の書面は、第37条の書面です。業者は、自ら当事者として売買契約を締結したときは、その相手方に、遅滞なく、第37条第1項各号の事項——当事者の氏名・住所、物件の表示、既存建物の構造耐力上主要な部分等について双方が確認した事項、代金の額と支払の時期・方法、引渡しの時期、移転登記の申請の時期、手付など代金以外の金銭、契約の解除、損害賠償額の予定・違約金、金銭の貸借のあっせん、天災等の損害の負担、契約不適合責任、租税その他の公課の負担——を記載した書面を交付しなければならず、宅地建物取引士が記名します(第3項)。相手方の承諾を得れば、電磁的方法で提供することもできます(第4項第1号)。交付しなければ50万円以下の罰金(第83条第1項第2号)で、第37条の事項について故意に事実を告げないこと・不実のことを告げることは第47条第1号ハで禁じられています。もう一つ。個人が自宅や実家を業者に売る契約は、消費者契約法の「消費者契約」です。同法第2条は、事業として契約の当事者となる場合を除く個人を「消費者」、法人を「事業者」と定め、第3項で両者の間の契約を消費者契約としています。買取の契約書の条項には、次の項で書く消費者契約法の規定が及びます。
当社は、契約書の案を契約の日より前にお渡しし、第37条第1項の全項目を入れ、宅地建物取引士が記名します。重要事項説明がない代わりに、契約書の各条項を宅地建物取引士が口頭で説明する時間を取ります。紙で交付するか電磁的方法にするかは、お選びいただけます。
根拠:民法第176条、第177条、第555条/宅地建物取引業法第35条第1項、第37条第1項・第3項・第4項、第47条第1号ハ、第83条第1項第2号/消費者契約法第2条第1項〜第3項
手付は民法第557条のとおりに動きます。手付2割・違約金2割の上限(宅地建物取引業法第38条・第39条)は業者が売主のときだけで、買取の売主には届きません。代わりに消費者契約法第9条が効きます
手付の決まりは民法第557条第1項です。買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができます。ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は解除できません。この条文は2020年4月1日施行の改正で書き方が変わりました。改正前は「当事者の一方が契約の履行に着手するまでは」「倍額を償還して」でしたが、現行法は、解除できなくなるのは「相手方が」着手した後であること(自分が着手していても、相手が着手していなければ解除できる)、売主からの解除は倍額を「現実に提供」しなければならないこと(返すと言うだけでは足りない)を明文にしました。手付解除をしたときは、損害賠償の請求はできません(第2項・第545条第4項の適用除外)。買取では、業者が買主です。業者が手付を放棄して解除すれば、売主は手付を受け取ったまま契約が終わります。売主が解除したいときは、受け取った手付の倍額を業者に現実に提供する必要があります。ここで知っておきたいのが、宅地建物取引業法の二つの条文の向きです。第39条は、業者が「自ら売主となる」売買で代金の2割を超える手付を受領できないこと、受領した手付はどんな性質のものでも解約手付として扱うことを定め、第38条は、同じく業者が自ら売主となる売買で損害賠償額の予定と違約金の合計が代金の2割を超えてはならないと定めています。第37条の2のクーリング・オフも、業者が自ら売主となる場合の買主の権利です。いずれも買主である一般の方を守る条文なので、業者が買主になる買取では、売主には届きません。手付の額の上限も、手付が「解約手付」か「違約手付」(債務不履行のときに没収・倍返しになる手付)かも、違約金の上限も、宅地建物取引業法ではなく契約書の定め(第37条第1項第6号〜第8号)で決まります。民法は、違約金を損害賠償額の予定と推定しています(第420条第3項)。その代わりに効くのが消費者契約法です。第9条第1項第1号は、消費者契約の解除に伴う損害賠償額の予定・違約金の合計が、同種の契約の解除で事業者に生ずべき「平均的な損害の額」を超えるときは、超える部分を無効とし、第2項は、事業者が違約金を請求するときに消費者から説明を求められたら、算定の根拠の概要を説明するよう努めなければならないと定めています。第8条第1項第1号は、事業者(買主である業者)の債務不履行による損害賠償責任を全部免除する条項を無効とし、第10条は、消費者の権利を制限し義務を加重する条項で民法第1条第2項の基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものを無効としています。宅地建物取引業法にも、手付について貸付けその他信用の供与をすることで契約の締結を誘引する行為の禁止(第47条第3号)と、登記・引渡し・対価の支払を不当に遅延する行為の禁止(第44条)があります。
当社の契約書は、手付が解約手付であること、手付解除ができる期限(日付)、違約金の額とその算定の考え方を明記します。手付を受け取った後に理由なく決済を延ばすことはせず、当社の都合で契約をやめるときは手付を放棄して解除し、それ以上の請求はしません。
根拠:民法第420条第3項、第545条第4項、第557条(現行および2020年3月31日時点の条文)/宅地建物取引業法第37条第1項第6号〜第8号、第37条の2、第38条、第39条、第44条、第47条第3号/消費者契約法第8条第1項第1号、第9条第1項第1号・第2項、第10条
契約から決済までに売主が整えるのは、登記簿上の住所・氏名、相続登記、抵当権、権利証、3か月以内の印鑑証明書、本人確認書類です。本人確認は法律上の義務で、買主と司法書士の両方から求められます
所有権の移転の登記は、登記権利者(買主)と登記義務者(売主)が共同で申請し(不動産登記法第60条)、登記原因を証する情報(第61条)、登記義務者の登記識別情報(第22条)、登記名義人となる者の住所を証する情報(不動産登記令別表第三十の項)などを添えます。書面で申請するときは申請書または委任状に記名押印し、押印した者の印鑑証明書(市区町村長が作成したもの)を添付します。印鑑証明書は作成後3か月以内のものでなければなりません(同令第16条第2項・第3項、第18条第2項・第3項)。売主の側で先に確かめることが四つあります。第一に、登記簿上の住所・氏名です。申請情報の登記義務者の氏名・住所が登記記録と合致しないと、申請は却下されます(不動産登記法第25条第7号)。引っ越しや結婚で登記簿の記載と今の住民票が違う方は、所有権移転の前に住所・氏名の変更の登記が要ります。この登記は2026年4月1日から義務になり、変更から2年以内に申請しなければ5万円以下の過料の対象です(第76条の5、第164条第2項。法務省は、施行前の変更は2028年3月31日までと案内しています)。登録免許税は不動産1個につき1,000円(登録免許税法別表第一・一(十四))。法務省は、所有者の申出に基づいて登記官が職権で住所変更登記をする仕組み(第76条の6)を、個人向けに2026年12月中旬以降に始める予定と案内しています。第二に、相続登記です。名義が亡くなった親のままなら、相続登記を済ませてからでなければ売主になれません(第76条の2。手順は相続の記事・数次相続の記事)。第三に、抵当権です。残っている抵当権は、残代金で完済して決済の日に抹消するのが一般的で、金融機関に事前の連絡が要ります(古い抵当権の記事)。第四に、権利証(登記済証・登記識別情報通知)です。登記識別情報を提供できないときは、登記官が登記義務者に本人限定受取郵便で通知を出し、発送から2週間以内に「申請の内容が真実である」旨の申出があれば登記が進む事前通知の制度があり(第23条第1項、不動産登記規則第70条第1項・第8項)、司法書士など資格者代理人が本人確認情報を作成して提供する方法と、公証人の認証を受ける方法でも代えられます(第23条第4項第1号・第2号)。法務省は、権利証を紛失しても権利を失うことはなく、不動産の売却等の処分ができなくなるわけでもないこと、再発行はできないこと、不正な登記を防ぐ不正登記防止申出制度(申出から3か月以内)があることを案内しています。次に本人確認です。宅地建物取引業者は犯罪による収益の移転防止に関する法律の特定事業者で(第2条第2項第42号)、宅地・建物の売買契約の締結は特定取引です(同法別表、施行令第7条第1項第5号)。業者は契約に際し、顧客の本人特定事項(氏名・住居・生年月日)、取引を行う目的、職業を確認しなければならず(第4条第1項)、運転免許証や個人番号カードなど写真付きの本人確認書類の提示を受ける方法が基本です(施行規則第6条第1項第1号イ、第7条第1号)。確認記録は7年間保存します(第6条)。売主が業者から本人確認書類を求められるのは、この義務のためです。司法書士も特定事業者で(第2条第2項第46号)、宅地・建物の売買に関する行為の代理が対象なので、決済の場で司法書士からも本人確認を受けます。二度確認されるのは、二つの事業者がそれぞれ義務を負っているからです。最後に、契約から引渡しまでの間の事故です。引渡し前に当事者双方の責めに帰することができない事由で家が滅失すれば、買主は代金の支払を拒むことができ(民法第536条第1項)、引渡し後の滅失・損傷は買主の負担になります(第567条第1項)。契約書の「天災その他不可抗力による損害の負担」の条項(宅地建物取引業法第37条第1項第10号)は、この境目をどう決めたかを書く欄です。
当社は、契約の前に登記事項証明書を取得して、登記簿上の住所・氏名、相続登記の有無、抵当権の有無を確かめ、決済までに必要な登記と書類を一覧にしてお渡しします。本人確認書類をお願いする理由と、確認記録を7年間保存する義務があることを先に説明します。
根拠:不動産登記法第22条、第23条第1項・第4項、第25条第7号、第60条、第61条、第76条の2、第76条の5、第76条の6、第164条第2項/不動産登記令第16条、第18条、別表第三十の項/不動産登記規則第70条第1項・第8項/登録免許税法別表第一・一(十四)/犯罪による収益の移転防止に関する法律第2条第2項第42号・第46号、第4条第1項、第6条、別表/同法施行令第7条第1項第5号/同法施行規則第6条第1項、第7条/民法第536条第1項、第567条第1項/法務省「住所等の変更登記の申請義務化」「権利証(登記済証・登記識別情報通知書)を紛失した場合について」/国土交通省「犯罪収益移転防止法の概要について」(令和8年4月)
決済の日は、残代金の支払と登記の申請を同じ日に、司法書士を間に置いて行います。登記は受付番号の順で先後が決まるからです
売主と買主は、互いの債務の履行を同時に求めることができます(民法第533条・同時履行の抗弁)。売主には、買主に登記その他の対抗要件を備えさせる義務があり(第560条。2020年4月1日施行の改正で明文化されました)、買主には代金を支払う義務があります。決済の日は、この二つを一つの場で同時に済ませる日です。登記は当事者の申請によってし(不動産登記法第16条第1項)、権利に関する登記は登記権利者と登記義務者の共同申請です(第60条)。司法書士は、他人の依頼を受けて登記手続の代理と法務局に提出する書類の作成を業として行うことができ(司法書士法第3条第1項第1号・第2号)、司法書士でない者がこれを業とすることは禁じられています(第73条第1項。違反は1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金=第78条第1項)。当事者が自分で申請することは妨げられていませんが、売主の登記識別情報・印鑑証明書と買主の代金が同時に動く場では、第三者である司法書士が本人確認・書類の確認・申請を引き受けるのが一般的です。決済の場で起きることを順に書きます。①司法書士が、売主の本人確認(犯罪による収益の移転防止に関する法律)、登記識別情報、印鑑証明書(3か月以内)、委任状、登記原因証明情報、買主の住所証明情報を確かめ、この書類で登記できると判断します。②買主が残代金を支払い、売主が着金を確かめます。③売主が登記の書類を司法書士に渡し、売主と買主は、固定資産税等の精算金や残置物の扱いを契約書どおりに清算し、鍵を渡します。鍵の交付は占有の移転=引渡しです(民法第182条第1項)。④売主は代金の受取証書(領収書)を渡します。弁済をする者は、弁済と引換えに受取証書の交付を請求できます(第486条第1項)。⑤司法書士が、その日のうちに法務局へ登記を申請します。なぜ同じ日なのか。登記官は申請を受け付けたときに受付番号を付け(不動産登記法第19条第3項)、同一の不動産について権利に関する登記の申請が二以上あったときは受付番号の順序に従って登記します(第20条)。代金を払った日と登記を申請する日が離れると、その間に別の登記(差押え、別の買主への移転など)が先に受け付けられる余地が生まれます。売主にとっても、登記の書類を渡したのに代金が払われない事態を避けるには、同じ場で引換えにするのが確実です。業者が登記・引渡し・対価の支払を不当に遅延する行為は、宅地建物取引業法第44条で禁じられています。固定資産税・都市計画税の精算は、法律ではなく契約の問題です。固定資産税は賦課期日(その年の1月1日)に登記簿に所有者として登記されている者に課され(地方税法第343条第1項・第2項、第359条。都市計画税は第702条の6)、年の途中で売っても、その年度分はすべて売主の納税義務です。東京都主税局は「売買契約などで固定資産税の負担割合を所有期間であん分することがありますが、これは、あくまでも当事者間の約束にとどまります」と説明しています。精算をするか、起算日を1月1日にするか4月1日にするかは、契約書の「租税その他の公課の負担」(宅地建物取引業法第37条第1項第12号)に書きます。民法第575条が、引渡し前の果実は売主に帰属し、買主は引渡しの日から代金の利息を支払うと定めているのが、日割りで分ける考え方の背景です。そして税です。国税庁の質疑応答事例は、買主から受け取った未経過固定資産税等に相当する額は「実質的にはその土地及び家屋の譲渡の対価の一部を成す」として、譲渡所得の収入金額に算入されるとしています。精算金は税金の立替えではなく、売値の一部として申告するお金です。
当社の決済は、司法書士が書類を確かめてから残代金を振り込み、売主が着金を確認した後に登記の書類を司法書士に渡し、同じ日に申請する順番で行います。司法書士は売主側でご指名いただいても構いません(費用の分担は契約書に書きます)。固定資産税等の精算の有無と起算日は契約書に明記し、精算金が譲渡所得の収入になることをお伝えします。
根拠:民法第182条第1項、第486条第1項、第533条、第560条、第575条/不動産登記法第16条第1項、第19条第3項、第20条、第60条/司法書士法第3条第1項第1号・第2号、第73条第1項、第78条第1項/宅地建物取引業法第37条第1項第12号、第44条/地方税法第343条第1項・第2項、第359条、第702条の6/東京都主税局「主税局都民の声窓口に寄せられた都民の声(平成29年6月分)」/国税庁 質疑応答事例「未経過固定資産税等に相当する額の支払を受けた場合」
費用と税は「法律上の負担者」と「契約で決める分担」を分けて読みます。印紙税の軽減は2027年3月31日まで、個人が出す領収書は非課税、住宅用家屋の登録免許税の軽減は業者の買主には使えません
契約書に貼る印紙です。不動産の譲渡に関する契約書は印紙税法別表第一の第1号文書で(第2条)、作成者が納税義務者、二人以上が共同で作成したときは連帯して納める義務を負います(第3条)。租税特別措置法第91条第1項は、2014年4月1日から2027年3月31日までに作成される不動産譲渡契約書の税率を軽減していて、契約金額が500万円を超え1,000万円以下なら5,000円(本則1万円)、1,000万円を超え5,000万円以下なら1万円(本則2万円)、100万円を超え500万円以下なら1,000円(本則2,000円)です。契約書を2通作って売主と買主がそれぞれ1通ずつ持つなら、1通ごとに印紙が要ります。宅地建物取引業法第37条第4項の電磁的方法で交付する場合について、国税庁(福岡国税局)の文書回答事例は、契約の成立を証する文書を電磁的記録に変換して電子メールで送信しても、現物の交付がない以上「課税文書を作成したことにはならない」ため印紙税の課税原因は発生しない、ただし後から現物を交付すれば現物に課税される、としています。領収書です。売上代金の受取書は第17号文書ですが、「営業に関しない受取書」は非課税で(別表第一第17号・非課税物件の欄2)、記載金額5万円未満の受取書も非課税です(同欄1)。国税庁は、ここでいう営業とは一般通念による営業で、おおむね営利を目的として同種の行為を反復継続して行うことをいい、商人以外の個人の行為は営業に当たらないと説明しています。自宅や実家を売った個人が業者に渡す領収書に、印紙は要りません。登録免許税です。登記を受ける者が納税義務者で、二人以上あるときは連帯して納付する義務を負います(登録免許税法第3条)。売買による所有権の移転の登記は、登記の時の不動産の価額(第10条第1項)の1,000分の20(別表第一・一(二)ハ)、土地については2029年3月31日までの登記なら1,000分の15(租税特別措置法第72条第1項第1号)。住宅用家屋の1,000分の3への軽減(同法第73条)は、個人が取得して自己の居住の用に供した場合に限られるので、業者が買主になる買取では使えません。抹消の登記と登記名義人の住所・氏名の変更の登記は不動産1個につき1,000円です(別表第一・一(十四)・(十五))。法律は連帯納付と定めるだけで、どちらが負担するかは契約で決めます。所有権移転登記の登録免許税と司法書士報酬は買主、売主の名義を整える登記(抵当権の抹消・住所変更)の費用は売主、という分担が一般的で、民法第558条が売買契約に関する費用を双方等分と定めているのとは別に、契約書に書きます。司法書士の報酬は、司法書士法に報酬額を定める条文がなく、司法書士ごとに定めているので、依頼する前に見積りを取ります。固定資産税の精算は前の項に、売ったあとの譲渡所得税(精算金を含む売値から取得費と譲渡費用を引く。売主が負担した印紙税は譲渡費用)は売ったときの税金の記事に書きました。
当社は、契約の前に、印紙税・登録免許税・司法書士報酬・固定資産税等の精算のそれぞれについて「法律上の負担者」「契約での分担」「概算」を一覧にしてお渡しします。所有権移転の登記費用は当社、抵当権の抹消と住所変更の登記費用は売主、という分担を先に明示します。契約書は2通作って印紙は各自の負担とし、電磁的方法での交付もご相談に応じます。
根拠:印紙税法第2条、第3条、別表第一第1号・第17号/租税特別措置法第72条第1項第1号、第73条、第91条第1項/登録免許税法第3条、第9条、第10条第1項、別表第一・一(二)ハ・(十四)・(十五)/民法第558条/宅地建物取引業法第37条第4項/司法書士法第3条/国税庁 タックスアンサーNo.7108・No.7105・No.7191・No.3255/福岡国税局 文書回答事例(平成20年10月24日)
決済のあとは、登記の完了を確かめ、翌年に譲渡所得の申告をします。登記完了証は売主にも通知され、登記事項証明書は誰でも取れます
登記は申請した日に完了するわけではありません。東京法務局は庁ごとに「登記完了予定日」を公表していて、2026年9月29日に本局へ申請された不動産の権利に関する登記の完了予定日は10月26日でした。渋谷・墨田・北・板橋などの出張所の予定日も同じページで確かめられます。申請に不備がある場合や、権利証の添付がなく本人確認のための事前通知を要する場合は、予定日の翌日以降になることがあります。登記が完了すると、登記官は申請人に登記完了証を交付して登記が完了した旨を通知し、登記権利者と登記義務者が申請人のときはそれぞれの一人に通知します(不動産登記規則第181条第1項)。売主にも、登記が終わったことは書面で分かります。登記識別情報は、新しく登記名義人になった買主に通知されます(不動産登記法第21条)。登記事項証明書は、誰でも手数料を納めて請求でき(第119条第1項)、手数料は1通600円(登記手数料令第2条第1項)、オンラインで請求すると窓口受取490円・郵送520円です(法務省の案内)。自分の名義が消えて買主の名義になったことを、売主自身が確かめられます。税は翌年です。売った年の翌年に譲渡所得を確定申告します。取得費が分からない家の5%の概算取得費、3,000万円の特別控除、精算金が収入に含まれることは、売ったときの税金の記事に書きました。売買契約書、精算書、領収書、司法書士の請求書は申告の資料になるので、決済の日の書類は一式保管してください。契約不適合責任を免責しなかった場合、買主が不適合を知った時から1年以内の通知で責任を問われ得ますし、免責しても、売主が知りながら告げなかった事実には免責が及びません(民法第566条・第572条。売ったあとの責任の記事)。残した家財の扱いは契約書の定めに従います(残置物の記事)。火災保険など売主名義の契約の解約、郵便物の転送、住民票の異動は、ご自身の手続です。
当社は、登記が完了したら、売主にも登記完了をお知らせします。決済の日に、売買契約書・精算書・領収書の控えをひとまとめにしてお渡しし、翌年の確定申告でどの書類を使うかをお伝えします。
根拠:不動産登記法第21条、第119条第1項/不動産登記規則第181条第1項/登記手数料令第2条第1項/民法第566条、第572条/東京法務局「東京法務局各庁別登記完了予定日」(令和8年9月29日〜10月7日申請分)/法務省「オンラインによる登記事項証明書等の請求のメリット」
仲介と買取が法律の上でどう違うか(媒介契約の三種類・仲介手数料の上限・買取で売主に届く条文と届かない条文)は仲介と買取の違いの記事に、契約の前に業者をどう確かめるか(免許証番号の読み方・名簿の閲覧・処分歴・保証協会の弁済)は買取業者の選び方の記事に、売主の契約不適合責任と免責特約・告知書は売ったあとの責任の記事にまとめています。
法律が「書け」と定めた12項目は、
そのまま売主の読みどころの一覧です。
宅地建物取引業法第37条第1項各号の文言を2026年10月8日にe-Gov法令検索で確認し、左の列にそのまま置きました。 右の列は、買取の売主がその項目でどこを読むかという当社の見方です。 「定めがあるときは、その内容」とされている項目(第6号〜第12号)は、定めが無ければ書かれません。無いこと自体を確かめてください。
| 号 | 記載事項(条文) | 売主が確かめること |
|---|---|---|
| 第1号 | 当事者の氏名(法人は名称)及び住所 | 契約書の買主が、広告・名刺・査定書の会社と同じか。別の会社なら、その会社の免許と保証を確かめます(買取業者の選び方の記事) |
| 第2号 | 宅地の所在・地番、建物の所在・種類・構造その他特定に必要な表示 | 登記事項証明書の記載と一致するか。未登記の建物や増築部分がどう書かれているか(未登記の記事・違反建築の記事) |
| 第2号の2 | 既存の建物のとき、構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項 | 告知書や建物状況調査の結果がどう反映されているか。ここに書かれた事項は契約不適合責任の判断材料になります(売ったあとの責任の記事) |
| 第3号 | 代金の額、支払の時期・方法 | 手付と残代金の額、残代金の支払日、振込か現金か、着金をどう確かめるか |
| 第4号 | 引渡しの時期 | 残代金の支払と同じ日か。鍵の引渡しと残置物の扱い(残置物の記事) |
| 第5号 | 移転登記の申請の時期 | 残代金の支払と同じ日か(同じ日にする理由は不動産登記法第20条=受付番号の順) |
| 第6号 | 代金以外の金銭(手付など)の額、授受の時期・目的 | 手付の額と、解約手付か違約手付か。手付解除ができる期限の日付 |
| 第7号 | 契約の解除に関する定め | 手付解除、債務不履行による解除の手順(催告の有無)、引渡し前に家が滅失したときの解除 |
| 第8号 | 損害賠償額の予定・違約金に関する定め | 額と算定の根拠。消費者契約法第9条第2項で説明を求められます。2割の上限(宅地建物取引業法第38条)は売主には届きません |
| 第9号 | 代金についての金銭の貸借のあっせんに関する定めがあるときの、貸借が成立しないときの措置 | 買主である業者が融資を使うなら「融資が通らなければ白紙」の特約があるか。あるなら、いつまでに結果が出るか |
| 第10号 | 天災その他不可抗力による損害の負担に関する定め | 契約から引渡しまでに火災・地震で壊れたら誰が負担し、解除できるか(民法第536条・第567条) |
| 第11号 | 契約不適合を担保すべき責任、保証保険等の措置に関する定め | 免責特約の有無と範囲。知りながら告げなかった事実には免責が及びません(民法第572条・売ったあとの責任の記事) |
| 第12号 | 租税その他の公課の負担に関する定め | 固定資産税・都市計画税の精算をするか、起算日は1月1日か4月1日か。精算金は譲渡所得の収入になります |
出典:宅地建物取引業法第37条第1項第1号〜第12号(第2号の2を含む)・第3項・第4項。 第3項により宅地建物取引士が記名し、第4項により相手方の承諾を得て電磁的方法で提供できます。 第47条第1号ハは、これらの事項について故意に事実を告げないこと・不実のことを告げることを禁じています。 買取では業者が買主なので、業者が自ら売主となる場合の制限(第37条の2のクーリング・オフ、第38条の損害賠償額の予定の2割上限、第39条の手付の2割上限と解約手付のみなし、第40条の契約不適合責任の特約の制限)は売主には適用されません。
五つの場面を、
契約の前・契約の日・その間・決済の日・そのあとの順に並べます。
条文と国税庁・法務省・国土交通省・東京都の案内に載っている決まりだけを2026年10月8日に確認して並べました。 契約から決済までの日数は契約書の定めで決まり、法律に目安はありません。
契約の前
業者を選び、価格に納得したあと
不動産登記法第119条/宅地建物取引業法第37条/犯罪による収益の移転防止に関する法律第4条
登記事項証明書(1通600円)で、名義・登記簿上の住所・抵当権の有無を確かめます。権利証(登記識別情報通知)があるかを探します。契約書の案を事前に受け取り、第37条第1項の12項目が全部入っているかを読みます。業者から本人確認書類(運転免許証など)の提示を求められます。
補足:契約書の案を事前にもらえない業者とは、契約の日を決めないでください。
契約の日
契約書に署名・押印する日
民法第555条・第557条/宅地建物取引業法第37条第3項/租税特別措置法第91条/消費者契約法第9条
宅地建物取引士が記名した契約書を受け取り、手付を受け取ります。契約書に貼る印紙は、1,000万円超5,000万円以下なら1通1万円(2027年3月31日まで)。手付の性質(解約手付か)、手付解除の期限、違約金の額と算定根拠を、その場で確かめます。
補足:手付を受け取ったら、売主から解除するには倍額を現実に提供することになります(民法第557条)。
契約から決済まで
契約書の第3号・第4号・第5号に書かれた日まで
不動産登記法第25条第7号・第76条の2・第76条の5/不動産登記令第16条・第18条/民法第536条
登記簿上の住所・氏名が今と違えば変更の登記(1個1,000円)、名義が親のままなら相続登記、抵当権が残っていれば金融機関へ完済の連絡。印鑑証明書は決済日から3か月以内のものを取ります。引越しと残置物の片づけを契約書どおりに進めます。
補足:この間に家が滅失したら、引渡し前なので買主は代金の支払を拒めます(民法第536条第1項)。契約書の第10号の定めを読んでおきます。
決済の日(引渡しの日)
残代金の支払・登記申請・鍵の引渡しを同じ日に
民法第533条・第560条・第182条・第486条/不動産登記法第19条・第20条・第60条/司法書士法第3条/地方税法第343条・第359条
司法書士が本人確認と書類の確認をし、買主が残代金を振り込み、売主が着金を確かめてから登記の書類を司法書士に渡します。固定資産税等の精算金と残置物の清算、鍵の引渡し、領収書の交付。司法書士がその日のうちに登記を申請します。
補足:領収書に印紙は要りません(個人の「営業に関しない受取書」は非課税)。精算金は譲渡所得の収入に含めます。
決済のあと
登記完了まで数週間・申告は翌年
不動産登記規則第181条/不動産登記法第21条・第119条/民法第566条・第572条
法務局が公表する登記完了予定日のころに登記が完了し、売主にも登記完了証が通知されます。登記事項証明書で買主の名義になったことを確かめられます。売った年の翌年に譲渡所得を確定申告します。
補足:売買契約書・精算書・領収書・司法書士の請求書は、申告の資料として一式保管します。
費用と税の一覧——法律上の負担者と、契約で決める分担
金額は条文と国税庁・法務省の公表値だけを載せました。司法書士の報酬や解体・測量の費用の相場は、当社が示せる立場にないので書いていません。 「一般的な分担」は契約で変えられます。契約書にどう書かれているかを確かめてください。
| 項目 | 法律上の負担者 | 一般的な分担・金額 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 売買契約書の印紙税 | 作成者。二人以上が共同で作成したときは連帯して納める(印紙税法第3条) | 2通作り、売主・買主がそれぞれ自分の1通分を負担。契約金額1,000万円超5,000万円以下は1通1万円、500万円超1,000万円以下は5,000円(2027年3月31日まで)。電磁的方法で交付すれば課税文書の作成に当たらない(国税庁 文書回答) | 印紙税法第2条・第3条・別表第一第1号/租税特別措置法第91条/国税庁No.7108 |
| 所有権移転登記の登録免許税 | 登記を受ける者。二人以上あるときは連帯して納付(登録免許税法第3条) | 買主。税率は不動産の価額の1,000分の20、土地は2029年3月31日まで1,000分の15。住宅用家屋の1,000分の3の軽減は個人が自己の居住用に取得する場合だけで、業者が買主の買取では使えない | 登録免許税法第3条・第9条・第10条・別表第一・一(二)ハ/租税特別措置法第72条・第73条/国税庁No.7191 |
| 抵当権の抹消登記・住所氏名変更登記の登録免許税 | 登記を受ける者(売主の名義を整える登記) | 売主。不動産1個につき1,000円 | 登録免許税法別表第一・一(十四)・(十五) |
| 司法書士の報酬 | 依頼した者(司法書士法に報酬額を定める条文はない) | 所有権移転登記の分は買主、抹消・住所変更の分は売主、という分担が一般的。依頼する前に見積りを取る | 司法書士法第3条第1項 |
| 固定資産税・都市計画税 | その年の1月1日に登記簿に所有者として登記されている者が、年度分を全額(地方税法第343条・第359条) | 日割りの精算は「当事者間の約束にとどまる」(東京都主税局)。精算の有無と起算日を契約書の第12号に書く。受け取った精算金は譲渡所得の収入に算入(国税庁) | 地方税法第343条第1項・第2項、第359条、第702条の6/国税庁 質疑応答事例/東京都主税局 |
| 領収書の印紙税 | 受取書の作成者(売主) | 個人が自宅・実家を売って出す領収書は「営業に関しない受取書」で非課税。記載金額5万円未満も非課税 | 印紙税法別表第一第17号・非課税物件の欄/国税庁No.7105 |
| 登記事項証明書の手数料 | 請求した者 | 書面請求1通600円。オンライン請求は窓口受取490円・郵送520円 | 不動産登記法第119条/登記手数料令第2条第1項/法務省の案内 |
| 譲渡所得税・住民税 | 売主 | 売った年の翌年に確定申告。印紙税は譲渡費用(国税庁No.3255)。精算金は収入。詳しくは売ったときの税金の記事 | 所得税法第33条・第36条/租税特別措置法第31条の4・第35条 |
出典:印紙税法第2条・第3条・別表第一/租税特別措置法第72条・第73条・第91条/登録免許税法第3条・第9条・第10条・別表第一/地方税法第343条・第359条・第702条の6/登記手数料令第2条/国税庁 タックスアンサーNo.7108・No.7105・No.7191・No.3255、質疑応答事例「未経過固定資産税等に相当する額の支払を受けた場合」、福岡国税局 文書回答事例(平成20年10月24日)/法務省「オンライン申請のご案内」/東京都主税局「都民の声(平成29年6月分)」。 印紙税の軽減(2027年3月31日まで)と土地の登録免許税の軽減(2029年3月31日まで)は期限のある特例で、延長・終了は条文で確かめてください。
書類が揃っていない方が、
むしろ多いです。
再建築不可の家は古く、相続で引き継いだものが多いので、権利証が無い、登記簿の住所が古い、名義が親のまま、 という状態から始まる売却がほとんどです。どれも条文に決まった対処があります。 契約の解釈は弁護士、登記は司法書士、税は税理士の領分で、当社はその代わりをしません。 当社がするのは、決済の日までに何が要るかを最初に全部書き出すことです。
権利証(登記識別情報通知)が見つからない
売れなくなるわけではありません。法務省は、権利証を紛失しても権利を失うことはなく、不動産の売却等の処分ができなくなるわけでもないと明記しています。再発行はできないので、決済では、登記官からの事前通知(本人限定受取郵便・発送から2週間以内の申出)、司法書士など資格者代理人が作成する本人確認情報、公証人の認証のいずれかで代えます(不動産登記法第23条)。本人確認情報の作成は司法書士の業務なので、その分の費用が生じます。盗まれた心配があるときは、不正登記防止申出(申出から3か月以内)を法務局に相談してください。
登記簿の住所が、引っ越す前のまま
そのままでは所有権移転の申請が却下されます(不動産登記法第25条第7号)。先に登記名義人の住所変更の登記をします(登録免許税は不動産1個につき1,000円)。登記簿上の住所から今の住所までのつながりを、住民票や戸籍の附票で示します。2026年4月1日からこの登記は義務で、変更から2年以内(施行前の変更は2028年3月31日まで)に申請しないと5万円以下の過料の対象です。結婚などで氏名が変わった方も同じです。
名義が亡くなった親のまま
相続登記(不動産登記法第76条の2)を済ませてから売主になります。誰が相続人かを戸籍で確かめ、遺産分割協議か法定相続分で登記する手順は、相続の記事と数次相続の記事にまとめました。相続登記と売買による移転の登記を同じ日に続けて申請する進め方もあり、司法書士と事前に段取りを決めます。
住宅ローンの抵当権が残っている
残代金で完済し、決済の日に抵当権の抹消登記と所有権移転登記を一緒に申請するのが一般的です。金融機関に、完済の予定日と抹消の書類の準備を事前に連絡しておきます。何十年も前に完済したのに抹消していない古い抵当権や、金融機関が無くなっている抵当権は、別の手順が要ります(古い抵当権の記事)。
遠方に住んでいて、決済の場に行けない
委任による代理人によって申請する場合、委任状に記名押印し、3か月以内の印鑑証明書を添えます(不動産登記令第18条)。契約書の署名・押印を郵送で行う方法や、司法書士が売主のもとへ本人確認に伺う方法もあります。本人確認(犯罪による収益の移転防止に関する法律)は代理人が立つ場合も必要で、顔写真のない本人確認書類では転送不要郵便の送付などが加わります(施行規則第6条第1項第1号ロ)。
当社の進め方
契約の前に、登記事項証明書で名義・住所・抵当権を確かめ、必要な登記と書類、費用の分担、固定資産税等の精算の起算日を一覧にしてお渡しします。契約書の案は事前にお渡しし、第37条第1項の全項目を入れ、手付の性質と解除の期限を日付で書きます。決済は司法書士の立会いで、残代金の着金確認→登記書類の交付→同日申請の順。登記完了後に売主にもお知らせし、申告に使う書類を一式お渡しします。
再建築不可という制度そのものの説明、査定で見ている五つの点、買取までの流れは再建築不可物件の買取ページに、道路の種類と建て替えの認定・許可(第43条第2項)の見込みは未接道の土地・建物の買取ページに、路地状の敷地の評価は旗竿地の買取ページにまとめています。
名義が亡くなった親のままの家の相続登記は相続の記事と数次相続の記事に、何十年も前に完済した抵当権が残っているときは古い抵当権の記事に、建物が登記されていないときは未登記の記事にまとめています。
売ったあとの契約不適合責任と免責特約は売ったあとの責任の記事に、残した家財の扱いは残置物の記事に、売ったときの税金(概算取得費・3,000万円控除・譲渡費用)は売ったときの税金の記事に、持っているあいだの固定資産税は固定資産税の記事にまとめています。
区ごとの建て替えの許可制度、不燃化特区、区役所の窓口は、足立区・葛飾区・北区・板橋区・荒川区・墨田区のページにまとめています。
契約から決済までについての Q&A
買取のご相談の中で、契約の前後に実際によくいただくご質問をまとめました。 いずれも制度の一般的な説明です。個々の契約書の解釈は弁護士へ、登記の手続は司法書士へ、 税の申告は税理士へご確認ください。
このページについて
- 作成・運営
- 株式会社First Realty
- 代表者
- 代表取締役 野口 勇
- 宅地建物取引士
- 野口 勇(登録番号 第261304583号)
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- 宅地建物取引業 東京都知事免許(1)第113689号
- 所在地
- 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-1-3 アミーホール5F
- 電話
- 03-6821-4617(10:00 – 19:00/定休 火曜・水曜)
- 加盟団体
- 公益社団法人 東京都宅地建物取引業協会/公益社団法人 全国宅地建物取引業保証協会
- 参照した運用の資料
- 国税庁 タックスアンサーNo.7108・No.7105・No.7191・No.3255、質疑応答事例「未経過固定資産税等に相当する額の支払を受けた場合」、 福岡国税局 文書回答事例(平成20年10月24日)・法務省「住所等の変更登記の申請義務化」「権利証を紛失した場合について」「オンライン申請のご案内」・ 東京法務局「各庁別登記完了予定日」・国土交通省不動産業課「犯罪収益移転防止法の概要について」(令和8年4月)・ 東京都主税局「都民の声(平成29年6月分)」
- 条文・資料の確認日
- 2026年10月8日
- 最終更新
このページが参照した公開情報
本文の条番号・金額・期限・窓口は、以下の公開情報を2026年10月8日に確認して記載しています。 このページは制度の一般的な説明であり、個々の契約書の有効・無効や、税額を判定するものではありません。 司法書士報酬・解体費・測量費の相場、買取価格の目安、手付の額の目安は書いていません。 印紙税・登録免許税の軽減は期限のある特例で、期限は確認日のものです。 決済をめぐる裁判例は、原文を確認できていないため書いていません。
- 民法(明治二十九年法律第八十九号)|e-Gov法令検索
- 宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)|e-Gov法令検索
- 不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)|e-Gov法令検索
- 不動産登記令(平成十六年政令第三百七十九号)|e-Gov法令検索
- 不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)|e-Gov法令検索
- 司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)|e-Gov法令検索
- 犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成十九年法律第二十二号)|e-Gov法令検索
- 犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令(平成二十年政令第二十号)|e-Gov法令検索
- 犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則(平成二十年内閣府・総務省・法務省・財務省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・国土交通省令第一号)|e-Gov法令検索
- 印紙税法(昭和四十二年法律第二十三号)|e-Gov法令検索
- 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)|e-Gov法令検索
- 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)|e-Gov法令検索
- 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)|e-Gov法令検索
- 消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)|e-Gov法令検索
- 登記手数料令(昭和二十四年政令第百四十号)|e-Gov法令検索
- No.7108 不動産の譲渡契約書に係る印紙税の軽減措置|国税庁 タックスアンサー
- No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書|国税庁 タックスアンサー
- No.7191 登録免許税の税額表|国税庁 タックスアンサー
- No.3255 譲渡費用となるもの|国税庁 タックスアンサー
- 質疑応答事例 未経過固定資産税等に相当する額の支払を受けた場合(譲渡所得)|国税庁
- 文書回答事例 請負契約に係る注文請書を電磁的記録に変換して電子メールで送信した場合の印紙税の課税関係について(平成20年10月24日)|福岡国税局
- 住所等の変更登記の申請義務化(令和8年4月1日施行)|法務省
- 令和8年熊本地震により土地・建物の権利証(登記済証・登記識別情報通知書)を紛失した場合について(令和8年7月29日・PDF)|法務省
- オンライン申請のご案内(登記事項証明書等のオンライン請求の手数料)|法務省
- 東京法務局各庁別登記完了予定日(令和8年9月29日〜10月7日申請分)|東京法務局
- 犯罪収益移転防止法の概要について(令和8年4月・PDF)|国土交通省 不動産・建設経済局 不動産業課
- 主税局都民の声窓口に寄せられた都民の声(平成29年6月分・PDF)|東京都主税局
当社は不動産の買取業者であり、登記の代理(司法書士)、契約の解釈に関する法律判断(弁護士)、税務代理・税務相談(税理士)を行う立場にありません。 登記の手続は司法書士へ、契約の解釈は弁護士へ、譲渡所得の申告は税理士・税務署へご確認ください。 当社にできるのは、契約の前に必要な登記・書類・費用の分担・精算の起算日を一覧にしてお渡しすること、 第37条第1項の全項目を入れた契約書の案を事前にお渡しすること、 決済を司法書士の立会いのもと「着金の確認→登記書類の交付→同日申請」の順で行うことです。
契約書の案と費用の一覧を、先にお渡しします
決済の日までに要るものを、最初に全部書き出します。担当者より1営業日以内にご連絡いたします。査定・ご相談は完全無料です。
契約の日より前に、
決済の日のことまでお話しします。
権利証が無い、登記簿の住所が古い、名義が親のまま。どれも決まった対処があります。 必要な登記と書類と費用を一覧にしてお渡しします。査定は完全無料、秘密厳守です。
宅地建物取引業 東京都知事免許(1)第113689号
